ホームページと企業理念の関係
先日、自社のホームページリニューアルについて打ち合わせを行なう会議がありました。顧客視点で考えると、どのようにしていくべきか、といった話です。
ホームページというものが定着してずいぶん経ちますが、今でも簡単なものではないと考えています。自分たちは何者なのか、どういう得意分野があるのか、B2Bの企業であればどういったことを提供できるのか、といった情報が網羅され、かつ見やすい(わかりやすい)ものである必要がありますよね。
たいていのコーポレイトサイトには、理念やビジョンといったものが掲載されています。社長の写真が掲載されていたり、ひと言で書かれていたり、長々と詳しく説明されていたりと様々ですが、自分たちの存在意義を伝えるうえでは、必要な情報なのだろうと思います。
一方で、その会社から製品を買ったり、サービスを受ける側、すなわちお客さんから見た場合に、その理念が自己満足になっていると違和感を感じることになります。
自社のホームページだから何も書いても構わないし、社長や経営陣として伝えたいと思うことを書けばいい。そりゃそうなんでしょうが、それで「売れるか?」ということですよね。
先日、書店でふと手に取った本が、日本コカコーラ会長の魚谷雅彦さん著の「こころを動かすマーケティング—コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる」というものです。魚谷さんは前から気にかかっていた方だったので、一気に読み終えました。
この終章という最後の章にあったのが「マーケティングとは経営そのものである」というお話しです。その通りだと思います。
日本の企業では旧来の突撃型営業の残像があるためか、営業が強ければマーケティングは不要、とまで考えているわけでもないのでしょうが、実際には真剣にマーケティングしていない企業が少なからずあるようです。(まわりくどい・・・w)
ホームページというものは、格好のマーケティングツールですよね。ここで自分たちの強みを、相手にわかりやすく、相手が「買いたい」「お願いしたい」と思えるように書いてある必要があるわけです。
逆にいうと、ホームページに整理して書けないことを、どうやって売るのか、ということになるわけですね。「うちの会社はこんなにすごいぞ」、「社長の経歴はこうだ」と羅列しても、それが売りになっているかどうか、ということですよね。むしろ、読み手から見るとどうでも良い情報だったり。
先日お会いしたシステムソリューション会社では、営業担当役員の方の名刺に「CMO(Chief Marketing Officer」と書いてありました。僕も最近は業務コンサルタントである一方で、マーケティングのお仕事に関わることが多いので、非常に共感できる名刺でした。