トリプルメデイア再考③ 情報・ブランドのソーシャライズ!?
トリプルメディア論は、メディアを3つ(①ペイドメディア(Paid Media)、②オウンドメディア(Owned Media)、③アーンドメディア(Earned Media)に分類する。この分類の基準はコミュニケーション主体、もしくは企業がお金を支払う必要があるかどうかである。
このトリプルメディア分類が時代にそぐわなくなってきたという認識が広がりつつあり、様々な修正の試み(マッキンゼー、高広氏)がなされている。
しかしながら、そもそも時代にそぐわなってきたものに、新たな分類を付け加えても、その有用性が高まるわけではない。むしろ理解の混乱を招くだけだろう。
そこで、私は、メディアの評価軸として、消費者・生活者の満足度と関連が深い2軸(リアルタイム VS 非リアルタイム)、(一方向型 VS 双方型)でメディアポートフォリオを分類することを提唱した。
また一方、現代という時代を考えると、メディアをその特性だけで固定的にとらえるべきではないとも考えられる。例えば、テレビで人気となったコンテンツが、ソーシャルメディアで拡散するといったケースが往々にみられる。また、その逆も然り。
メディア媒体を固定的なものではなく、一連のプロセス、フローとして捉える必要があるのだ。
私は「情報、ブランドのソーシャライズ」というプロセスで捉えるのが有用と考えている。情報は、多くの人の評価、批判、コメント(ソーシャライズ)によって、その情報の信頼性、価値が多くの人によって認められるという考え方に基づく。
マス広告の効果が低下した根本的な原因は、消費者からの信頼性の低下、およびその信頼性を補完・代替する新しいメディア(ソーシャルメディア)が生まれたということがある。
リアルタイム・マーケティングパラダイム
以上まとめると、企業としては、メディアポートフォリオの管理に加えて、情報・ブランドのソーシャライズというプロセスによって消費者からの情報の信頼性をどう高めていくか? という観点から、自社のメディア戦略を位置づけ直すことも有効だろう。
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