就活SWOT/株式会社エイリスト代表の酒井一樹による「ホンネの」就活論。

「従業員も経営者マインドを持つのが当然」と考える社長に未来はないと思う

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就活SWOT代表の酒井です。
 
このページを見ていただくとわかるように
2014新卒の採用情報も続々と公開されていますが、
その中で、
「学生として就活している方はお断り」
「お金を貰うなら成果を出すプロになれ」
…こんな主張をする「新卒採用」サイトが話題になっています。

(叩くつもりはないので、敢えてリンクは貼りません。)

この記事を読んでいて
自分が過去に見てきた色んなベンチャー企業の事を思い出したので
「ベンチャーを見極める時のヒント」につながる記事を書きたいと思います。

その2014新卒採用の告知ページ、
2ちゃんねるやTwitterでは「ブラック臭がすごい」と話題ですが
よくよく読んでみると内容としては、そんなに間違ったことは言っていません。

その漫画で述べられている「仕事へのスタンス」は、
経営者自身にとっては当たり前のことで
実際自分の周りでも、内容に共感しているベンチャーの経営者は多いようです。

要は「仕事は努力ではなく成果が重要。成果を出さなければお金はもらえないよ」
という主張だと思うですが、これは経営者の考え方です。

この考え方を「従業員側」も持っていれば、
その会社は今後しばらく伸びる可能性が高いと思います。

(経営者が舵取りを間違わなければ…という条件付きで)

以下、こうした仕事への心構えを「経営者マインド」と呼ぶとしましょう。
(近い言葉で『当事者意識』とか言う時もあります)

「従業員までが経営者マインドを持っている会社」があったとしたら、
その会社の人材が発揮するパフォーマンスは、かなりの確率で高いです。

経営者がしっかりしていて、会社・ビジネスの仕組みが上手くできていて、
それを回す従業員までがハイパフォーマーであれば、
会社が伸びないわけがありません。

社員にインセンティブを与え、
社員を役員・子会社社長などに抜擢していって
うまく事業展開・拡大しているベンチャー企業も存在します。

しかし、経営に携わっていない従業員までが
経営者マインドを持っている…というのは、ハッキリ言って「異常」
です。

異常…といっても悪い意味ではありません。

それが素晴らしいことであるのは間違いないのですが、
その「異常」な状態を前提として経営していたら、
それは経営者として従業員に依存しすぎです。

また、「そういう心構えを持って当たり前!」
なんて言いつづけている経営者は
周囲の人に対して感謝を示さなかったり
何か問題が起きた時に「他人の責任」にしてしまう方が多いものです。

人に対して求めていることなのに、経営者自身できていない事もあります。

※特定の一社について言っているわけではなく
 あくまで「色んなベンチャー経営者を見た上での一般論」として書いています。

自分が実際に見た事例でもあるのですが、
そういう会社は経営者が従業員からの信頼を失ったり、
ビジネスモデルを取り巻く外部環境がガラっと
変わったりしたタイミングで瓦解します。

もちろん優秀な人材を採用することも経営者の仕事の
1つであることは間違いありません。
経営者であれば
「社員に優秀であって欲しい」
「当事者意識を持って会社に貢献してほしい」
と思うのは当然です。

しかし一方で
「優秀な人材がいなくても業務が回るよう、戦略や仕組みを考える」
のも経営者の仕事です。

優秀な人材がいた方が良いのは確かですが、企業規模が拡大するにつれて
「優秀な人材だけで会社を構成する」のは難しくなっていくわけですから
その時に経営者の舵取りが下手であれば、会社の成長もそこで止まるわけです。
(これは自戒を込めて書いています)

どんなに優秀な人材を抱えていても、
向かう方向が間違っていれば会社は伸びません。

よくベンチャーで、
◎億円の壁が超えられない、
◎◎人から社員が増えて行かない、…という話を聞きますが
そういう時に、残念ながら原因を社員側に求める経営者もいます。

皮肉なことにそういう場面で
「みんな経営者マインドを持て!」と叫ぶ経営者に限って
社員との距離が遠かったりします。
(物理的な距離ではなくもちろん精神的な意味で)

…というよりも、
『社長と社員の距離が遠いからこそ、そのような言葉が出てくる』
と言うべきかもしれません。

そのような状況で、
社員に対して「経営者マインドを持て!それが当然だ!」と主張しても、
根本的な解決にはつながりません。

経営者マインドを持てるようにコミュニケーションを取ったり、
そういう仕組みを作るべきです。

(表面上だけの取り組みでは「自己満足」と言われる事もあるので
 ここが難しいのですが…)

 

【とりあえず総括】

最後に、この記事に関連して就活生に伝えておきたかったことをまとめます。

「社員であっても経営者マインドを持つべき」
という考えに、学生の時点で共感できるとすればそれはとても素晴らしいことです。

是非そのスタンスで仕事に臨み、高い成果を出してもらいたいと思います。

しかし、「経営者マインドを持て」と言っている
当の経営者本人があなたの成果に見合ったリターンを
もたらしてくれるとは限りません。

これは、給与が低いかもしれないとか、そういう話だけではありません。

一従業員がどんなに経営者マインドを持って頑張ったとしても
実際の経営者が示す会社の方針、向かう方向が間違っていれば
やはり会社は伸びていきません。

(それはそれで起業するキッカケになったりするので
 「人間万事塞翁が馬」なのですが…)

いずれにしてもベンチャーを選ぶ上で「経営陣を見極める力」が本当に重要です。

特に初期のベンチャーにおいては「経営者≒会社」ですが
経営者もみんな人間ですし、完璧な人間はいないし、完璧な会社もありません。

だから会社選びに正解はありません。

しかし私個人としては、こう思います。

友達付き合いや恋愛と一緒で、
「相手に尽くしてもらうこと」を当然だと思ってしまう相手は
自分の人生を預けるパートナーにできない
よね…と。

従業員から見た経営者もそうだし、
経営者から見た従業員もそうなんだと思います。

Comment(1)

コメント

記事中に書いてあるとおり特定の企業について言及しているわけではなく、
一応従業員数10〜100人くらいのステージにあるベンチャー企業をイメージして書いています。

それに近い考え方を持っている経営者は
ジェイブレインに限らず多いと思われます。

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