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就活SWOT/株式会社エイリスト代表の酒井一樹による「ホンネの」就活論。

【就活】面接官に「刺さる」のか?話す時に要注意な3つの志望動機

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面接で話される志望動機に多いのが「企業理念をべた褒め」するパターン。

また、「社風に惹かれた」…という方もいれば、

「企業のCSR活動を評価する」という方もいらっしゃいます。

色々なパターンがありますが、こういった志望動機を話すときの注意点を今回はお伝えしたいと思います。

▼パターン1:企業理念

このパターンの志望動機を話す上で注意すべきは、「面接官が実際にその企業理念にどこまで共感しているか」という事です。

例えば、「その企業理念を考えた当人」が面接官であれば、企業理念に共感しているという事は大きなプラス評価になるかもしれません。

(もちろん、口先だけで共感したフリをしていてはダメですよ。)

具体的には、「その企業の創業者や、経営陣、会社が出来て間もない頃から在籍していらっしゃるような社員」が考えられます。

…しかしここまで書けば、そういう方と面接で話す機会は非常に少ない…という事はお分かりいただけるかと思います。

もちろん一般社員でも、企業理念に共感して入社している方はいらっしゃるかもしれません。

企業によっては、理念に共感している方を選んで採用している事もありますし、特にベンチャー企業においては創業者の掲げる理念や目標に共感して入社している社員さんも多いものです。

しかし、企業理念にそこまで共感していない方が面接官である場合や、「企業理念は飾り」になっている企業の場合、「理念に共感した」と言ったところで面接官からの共感は得づらいでしょう。

(面接官自身が共感していないのだから)

ですので志望動機で「企業理念」について言及する時には、面接官本人のスタンスを探りながら、話し方を変えていくと良いでしょう。

▼パターン2:CSR活動

ご存知のない方のために解説しますと、「CSR」とは「企業の社会的責任」を意味します。

詳しい解説をすると本一冊分書いても足りないくらいなのですが、企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、社会貢献活動を行う事です。

ベタなところを言えば、植林活動をしている企業などを連想する方が多いかもしれません。

私自身、企業がCSR活動を行うことは非常に良いことだと、学生時代から思っておりました。

しかし実際社会に出てみてわかったのは「就活の場でCSR活動を志望動機にすることほど滑稽なことは無いな」ということです。

「本業がそのままCSRになります」という考えの方や企業もいらっしゃるかもしれませんが、

多くの企業は、本業とCSR活動は完全に別のものとなっています。

本業を行う中で社会的責任が生じるからこそCSRが叫ばれるわけで、CSRを行うために企業が生まれてきたわけではありません。

あなたが共感するべきなのはCSR活動ではなく、企業の本来の業務のはずです。

ここまで言えば、「CSR活動に共感した」という志望動機は成立しないことがわかるでしょう。

その企業の本業に対して「社会的意義を感じた」というならアリです。

どちらも「社会的意義」に注目しているのは同じなのですが、経済活動を担う一員としては、天と地ほどの差があります。

「ウチの会社の本業に興味があるわけではない」と感じられたらNGなのです。

もちろん、社会的責任を求められるレベルの企業が最低限のCSRを行っていない事は、時に大きなリスクとなります。

「それが出来ていない企業を志望企業から外す」ということは、ある面で合理的な考え方だと言えるでしょう。

ただし、それ以前に本業への共感の方が重要なのです。

▼パターン3:社風

「社風に惹かれて志望しました」という就活生も多いでしょう。

そのこと自体には何の問題もありません。

しかし問題なのは、社風について語る言葉がズレている事が多いということです。

例えば、前項のCSRに関連して「CSRに熱心な社風が良い」というような理由を挙げたとします。

おそらくそれは、その企業の社風ではありません。

あくまでも「外から見たあなたの印象」でしかありません。

外から見た印象を「社風」と言い切ってしまうと、それが内側にいる社員から納得感の薄い内容であった場合、

「この子はウチのことわかってないのに、わかった気になっているんだな…」と思われるかもしれません。

「CSRに熱心な社風」は極端な例かもしれませんが、

内側にいる社員に「そうそう、ウチの会社の社風がよくわかってるね」と言わせるほど納得感のある「社風」を述べるのは、なかなか難しいことではないでしょうか。

これは個人的な意見ですが、「社風」を志望動機に入れる時は、敢えて言語化しなくても良いと思っています。

経験則ですが、変に理屈つけてどういう社風かを説明するより、話の流れで自身たっぷりに「社風ですね」「人で選んでいます」と断言している人の方が面接には通っています。

逆説的に言うと、「具体的にどんな社風だと思っているか?」という説明をしなければいけない時点で、面接官と自分の間に信頼関係が構築できていないと言っても良いかもしれません。

少なくとも、本当にその会社の社風をわかってる人は、「植林活動やってるから社風が素晴らしい」なんて言いません。

言い方を変えると、徹頭徹尾 客観的な説明をする必要はないのです。主観的に自分の想いを語ればいいのです。

評論家のように客観的に「社風を説明」している間は、「お客さん」にしかなれません。

もちろん、主観的にその企業の社風を良いと思ったとしても、「なぜそう感じたか」を聞かれる事はあるかもしれません。

そういった時には評論家のように語るのではなく、OB訪問や就活イベントで実際に社員と話してきたという話だったり、インターンをさせてもらった時の話だったり、「自分がどういう行動をしてきたか」を踏まえ、その上で自分の主観を交えて語るのが良いでしょう。

根拠のない主観的な話ばかりをしていると「論理的ではない」と注意されることもあるかもしれませんが、時と場合によっては主観的な意見を持つことも非常に重要です。

論理的な意見は、内容さえ理解していれば誰でも同じことが言えますが、

自分に固有の原体験をもとにした主観的な意見は、他者が意見を挟む余地がありません。

志望動機に対して「なぜ?」という問いかけを繰り返していくと、最初のうちは論理的な返答ができるかもしれませんが、突き詰めていくと「それが好きだから(もしくは嫌いだから」などの主観的な意見に行き着きます。

誰にでも言える内容ではなく、自分の想いを含んだ主観的な意見だからこそ、「刺さる」志望動機になるのです。

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