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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

純粋に技術的なデザインの話としてのiPhone4の無線感度の件を考える

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純粋に技術論です。そのほかの部分には言及しませんが、iPhone4の「持ち方によって無線の感度が変わる」件は、根本的に無線機器としての設計がちゃんと出来ていないというコトが引き起こしているのだということを、何らかの先入観なしでまずキチンと理解しても良いよね?と思うんです。

 

無線の伝播原理、電波の挙動、そしてそれを取り巻く種々の物理法則は誰に対しても公平に振舞うわけで

「裸」の状態のiPhone4の持ち方で無線の入り具合というか繋がり具合が変わるぞという話は、製品の出荷直後から出ていました。実はそれ以前に例の分解写真が公開された時点で通信屋としての私の興味は「アンテナをどうしてるんだろ?」と言うところに随分と集中していました。残念ながらあの時点でのアンテナの所在や構造はよく判らなかったのですが、出荷が始まり、トラブルの話が伝わり始め、それを踏まえつつ再び分解して解説した情報が流れ始める状況になった時点の、その最初の瞬間に無線屋の端くれの私でもわかった事実。

なんでこんなところにむき出しでアンテナつけてるんだ?

 

アンテナを握れば感度が変わるのは当たり前

無線の技術者がそんな基本的な事を知らないわけがありません。ただ、パッケージのデザイナーがそういう部分を知らないとか、あるいはそれを無視せざるを得ない状況があったのか、そこはよく判りません。ただ、非常に高い周波数を使う携帯電話の世界で、アンテナの金属部分をむき出しにして取り付け、それが常に人の手に触れる状態にしてしまっているのは事実。これでは普通にアンテナの感度というか機能自体が変化します。当然求める電波を掴みにくくなります。普通こんな設計にするはずが無い種類のモノです。

ありえんでしょ?

だったらカバーを買って付ければいいでしょ論や、持ち方を変えれば大丈夫なんだからさ論については技術論とは違う次元の解決方法なのですし、それを言うスタンスについても何も言いません・・・ が、それでも純粋に技術的な部分で言うと少なくともカバーをつけてアンテナを直接触れないようにするということが解決策であるのは事実。というか、それが常に人の手に触れる状態である事自体がおかしい。

ありえんでしょ?

この部分だけを取り上げて追求してしまうと、最終的なパッケージのデザインをしたデザイナーは極々基本的な無線の知識すら無いんだろうなという評価を受けざるを得ないというコトです。

ただ私は当事者ではないので、本当のところはどうだかわかりませんが、とりあえず判りやすい記事(と言っても難しいかな?)を見つけました。

物理法則は誰にも変える事は出来ません。どんなにその製品やブランドが好きでも、それが利用する(例えば無線の)物理法則は誰にも変える事が出来ません。全てに対して公平に振舞います。

でも、一般の人が扱う機器でそんな事を意識させてはいけないというのが製品のパッケージデザインの基本だと思うのですけれど、どうもその部分での甘さがあるよね、というコトをかなり詳細に書いている記事です。

 

因みに、だからといってiPhone4という製品の存在などについて批判的なことを言う気は私には一切ありませんし、iPhone4を持つ事によって広がるであろうそれぞれの人の楽しみなどに水を差す気もありません。

ただ、非常に基本的なところで明らかに設計を間違っていると思われる製品が目の前にある事がなんだか残念だな、と思うんです。それだけ。

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