THE SHOW MUST GO ON:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) THE SHOW MUST GO ON

通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

「偏向している」という評価がそもそもなんらかの立場に立脚した、ある意味偏向した評価であるのではないか、という仮説を自分でもっていたりします。これって変かな?


なんでみんなメディアに中立を求めるんだろ?

どのようなメディアでも、その立ち位置があるもんだというエントリーをちょっと前に投げたことがあります。別に誰に肩入れしたからどうなんだって思ってしまいます。すべての企業もそうですし、メディアもなんらかの立場に立ったものの言い方をするはずです。でも自分の思うところと違うと思うといろんな人が「それは中立的なメディアの立場で言うことではない」と言い始めます。

インフォメーションであれば偏向は問題ですが、インテリジェンスであればそこには主義主張に基づいた分析が必ず加わる訳ですから、どのような立場に立脚しても相対的に反対する立場から見れば偏向した情報になるんじゃないかと思います。そういう立場でものを言っているという事をなぜ理解し、その存在を認めないのだろうと不思議な気持ちになります。

そもそも中立ってどんな軸?そんなのあるの?


メーカーの良心への期待って、なんなんだろ?

非常に熱心なファンを獲得してしまったブランド(あるいはメーカー)の場合、新しい製品やソリューションに対して、それ自身はとても優れたものなのにもかかわらず、熱心なファンから見ると的外れな事があります。それをいろいろなメディアで叩かれてしまうことがあります。でも企業は営利事業なんですよ。基本的には経営陣あるいは広い意味でのマネジメント層の意向が良い悪い、あるいは正しい間違っているなどを含みつつ、その企業をどのようにしたいという意見を中心に色んな意向を反映して施策が立てられて実行されるわけです。普通は。

企業は営利事業。もちろん熱心なファンの意見は大事。でも、営利事業。儲からないと、必要なだけ儲からないと存続できない。

「一般の人の意見は良いんです。シェアは広げなくて良いんです。私たちは見捨てませんから。大丈夫です。心配しないでください。」

「いや、それはちょっと特殊な意見でして、それをそのまま実行してしまうと資本主義経済体制全体から見捨てられます。」

本気でまずいんです。儲かってナンボ。金の切れ目が縁の切れ目。地獄の沙汰も金次第。冷徹です。あなたが一人で会社の売り上げの3割を上げていただける超巨大なお客様であればよかったのですが… そもそも私たちは営利企業なんですよ。


誰にとっても受け入れられる立場っていうのがあったらすごいかも

何かしらの立場を主張する場合、必ずそれに反対する立場が存在するんじゃないかと思っています。すべての人を納得させることができる立場なんて… 特にビジネスの場においては競合関係がある限り存在するわけないと思っています。私自身の特殊な意見かもしれませんが、でもそう思います。

別に新聞や雑誌、テレビなどのメディアでも、何らかのメーカーでもサービスの事業者でもなんでもいいんです。「私が正しい」と主張するのは勝手な話なんで好きにすれば良いのですが、それを妄信的に信じるのはいかがなものか・・・と思う今日この頃です。


妄信できるということは幸せな事なのかも

なんだか抽象的な話になってしまうのですが、ここ数年の間に仕事で関係する/した人の一部の人の話なのですが、自分の立ち位置を客観的に評価できないくらいある主張に妄信してしまっている人との仕事が微妙に多いような気がしています。

あ、あくまで経済活動における方針の話です。宗教的な主張や政治的な主張の話ではありません。また、自分の経験に基づいた相対評価ですので、なんだか偏向してるという評価それ自体が偏向してるかもしれません。

ある一定の立場を受け入れてしまったか、ほかの考え方の存在を考える事がなくなってしまったのか、いろいろ考えた結果いろいろ考えるのを止めてしまったのか。知りません。でも、ある一定の立場や姿勢、行動原理に立つことが非常に多い皆さんと仕事をする機会が多い気がします。あるいは、多様性を信じるのだけれど、自己の主張の信憑性だけをよりどころにする方=人と議論したり妥協や譲歩する方法自体を知らない人が結構いる気がします。しかも外資ではなく日本の企業の中での話です。


私にはできない芸当=日本の企業では使えない私?

信じきれる事。これってある意味すっごくうらやましい。何らかの立場を信じきる事ができればとても楽にれるんじゃないかといういう気がします。でも、私には無理です。あるべき論は交わせるのですが、思想を覆すところまでは追い込めません。そもそも自分の立ち位置がちゃんと理解できていないからそこに引きずり込む事もできない=そもそも自分をあるひとつの立場に追い込めないという問題があったりします。

もちろん一人の人間としての心のよりどころはあるのだけれど、それはもっと広い意味でのよりどころ。行動原理としての「気合と根性で売り上げる」みたいな、特定の経済活動の行動原理と戦えるところまでは行きません。


40半ばにして迷い道くねくね

さぁ、どうしよう。少なくとも不惑ですらないのは事実。天命を知るには程遠いですね。

bibendum_iwa

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コメント
坂本多聞 2007/10/27 23:15

いわながさん、こんにちは。
含蓄のある是非オフラインでお聞きしたい話です。いつか是非お願いします。

「中立」ということが結局価値判断を伴うわけで、時として何が中立なのか?中立というのは媒体の数だけできてしまうというものだと感じています。
そして、読者は心地よい、中立だと思う媒体を選ぶのが一般に幸せだと思うわけです。

もと 2007/10/27 23:35

少なくとも、新聞や雑誌はそのスタンスを伝える場所が設けられているからいいと思うんですよ。社説などで会社の考えを伝えていますから。

でも、放送は法律で中立が求められているため、会社としてのスタンスを伝える場所がなく、中立であるふりをしなければならない。だから問題なのだと思います。

せのお 2007/10/28 00:25

こんばんは。妹尾です。
何かありましたか?・・・なんて、今ちょっと思い悩んでいる自分と一緒にするなって感じですね(苦笑)
岩永さんが書かれていること、総論賛成ですが・・・。メーカーのくだりで、他社と比較した時にそのメーカーの存在意義が”そこ”にあった時、ブランドを培ってきた存在意義を捨てて新たな価値観を提供するということは、言わばブランドを捨てる行為なのでは無いか・・・と。そこで新たな存在意義を勝ち取るケースもあればそうでないケースもあり、ギャンブルなのでは無いかと思ったり・・・。いや、ごく近くでそんなケースを目の当たりにしてるもんで・・・(苦笑)

unimaro 2007/10/28 13:11

こんにちは、お疲れ様です。
ずいぶんお疲れのようですね。ストレス解消法は仕事の成功のようにお見受けしますので、簡単にはいかないですか。
もとさんのおっしゃるように、メディア各社のスタンスが明確に現れていれば安心なんですけどね。赤旗、聖教新聞、東スポなどに中立求める人はいないと思いますし。多分、皆、嘘をつかれるのが嫌いなだけだと。
メーカーは、「お客様は神様」というのを棄て、「自分の良心」を自分で確立して、説明をきちんとし、ユーザーの我侭を必要以上に受け入れず、でも他のユーザーはそれを納得する、ようにしっかり地に立てば、真の信頼を受けるのではないでしょうか。今の日本社会と同じで、ゴムひも製の物差しで目盛りもあいまいなんですよね。

妄信は出来るようになりたいです。日々がとっても楽になると思いますw

あー、いわながさんのセミナーがあれば、飛んで帰国してぜひ受けたいくらいです。大学でもいいけど、やはり社会経験豊富な人相手のセミナーが社会を変える位の、でも、地味(人間の基本的な姿勢部分だから地味になる)となるのではないでしょうか。わかる人にはわかる、とてもよいものになるのは確実かな、とおもうのですが。機会が無いものでしょうか。


>「気合と根性で売り上げる」
まる**真綿ですか?w

タイですが、タイ人でさえ、「必要性を理解させ」「他社と比較させ」「コストの問題を解決させ」れば、うちの製品を買ってくれます。うちの営業はタイ人ですから気合も根性もまったくゼロです。でも、お客は毎年予算組んでくれて追加オーダー来るんですよね。
気合と根性無いほうが効率的なのかな?

気合と根性の使い方教室というのがあればいいですね。


勝手に長々と失礼しました。

いわなが 2007/10/29 12:53

坂本さん、コメントありがとうございます。
いや、こちらこそ。是非近いうちにお会いしたいですね。一番居心地の良いところを選べばよいというのは精神衛生上楽なんですよね。間違いなく。

いわなが 2007/10/29 12:55

もとさん、コメントありがとうございます。
私は法律の専門家では無いので自信はありませんが、「報道」については放送法第3条2の3にあるようにシバリが明確(3.報道は事実をまげないですること。)で、それに基づいて各社が倫理規定や放送番組審議会などを組織するわけですから本来は一定のタガがはまっていると理解できる種類のものじゃないかと思っています。で、個人的に問題は放送法上の定義である「報道(つまりニュース番組?)」ではない類の、いわゆる「情報番組」の存在と立ち位置がわかりにくい事なんじゃないかと思っています。あ、それが良いか悪いかは別の話ですが、本来担保されるべき中立性の重みが少し違うんじゃないかということです。

例のボクシングの件などでも議論になっていますが、放送法上の「事実をまげない」にしても論拠の中立点を何処に置くかが問題で、例えば「事実」とする事象が中立な立場で述べられていない可能性があれば、これは根拠法の解釈にも関わる話で、ちょっと深いですね。一般企業とは全く異なる立ち位置を求められるということで、民間企業であっても公共性を帯びた事業であるからこその難しさなんでしょうね。

いわなが 2007/10/29 12:56

せのおさん、コメントありがとうございます。
いや、「何か」どころじゃなくて「色々」あります(笑) 
私自身はブランド自体の存在意義については山のように意見がある人なのですが、誤解を恐れずに一言で言うと、「変化を拒んだブランドは化石化するしかない」という主張を持っています。装置産業自体は元々その危険性を持っている産業ですが…変化の激しい業界から移ってくるとモドカシイことこの上ないというのが正直なキモチです。

いわなが 2007/10/29 12:57

unimaroさん、コメントありがとうございます。
いやぁ、私が喋るセミナーなんかしても人集まんないですよ。大学なんて有りえませんが、いちどITメディアさんに持ちかけてみようかな? でも「アホか」の一言で終わりそうですが(笑)

それはともかく、いろんな人との話のなかで説得に持むハメに陥った際は、とにかく土俵を選ばないと駄目だなというのを最近頻繁に痛感しています。色々と仕込みはするのですが、力関係もあって最後は「気合と根性論」に持ち込まれてしまい、すったもんだの挙句「俺は何やってんだろ…」と深酒に陥ることが増えてきました。結局、要領悪いんですね。


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岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

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