各国の携帯事情を調べるのが海外出張の余暇のすごし方のひとつになってきている。仕事にも役立つとは思うが、いくつかの国を回ると文化や社会構造などと関連しており、いろいろ面白い発見ができる。先日はインドネシア ジャカルタの携帯事情を見て来た。
インドネシアといえば人口2億4千万人で我国の丁度倍くらいの大国。しかも2011年初頭で、携帯電話加入者数は8割というから約2億人になる。シムフリーなので一人当たり数台以上持つのがざらなので実際には台数的にはそれ以上になるだろう。GDP伸び率も約6%と着実な急成長である。高層ビルの横にはバラック街と貧富の差は確実に拡がっているようだ。
テルコムという日本のNTTに近い会社とインドサットという米国との合資会社で市場が寡占状況にあるとされる。
ジャカルタはここに来て急速な経済発展の波が来ている。5年前携帯電話の普及が進んできているが、特に今年になってスマートフォン(スマホ)が人気になっている。
3Gも普及しはじめで、パケホーダイ的サービスが月額1200円程度と安い。しかし、プリペイドもまだまだ多く、いたるところでチケットが買えるようだ。
日本のガラケーにあたるのか、NOKIAの通常のキャンディバー方の端末は安値を売り物にひっそりとしたところに陳列してあった。(15000円~2万円位)。 日本ではお目にかかれないNOKIAのスマートフォンがあったが、スクリーン部がズレあがりなかなか良く出来ていた。でもたちながらキーボード入力はかなり熟練を要すると思うので、一般向けではないのだろう。

以前はNOKIAやブラックベリーが主流だったらしい。しかしここにきてiPhonやエクスペリアが人気を博してきているようだ。ひとつ前のエクスペリアが3800Kルピア(約3万8千円)なのでほぼ日本と同じ価格である。平均所得からするとかなり高い。

モトローラのパッドXOOMが大々的にプロモをしており、「おおっつ」とうなったが、面白そうにしているのは我々だけでパッドというデバイスはIpadも含めて人気は低い模様。ここらあたりの何故はインドネシア通でなければわからないのだろう。
ちなみにインドネシアのfacebookづきは人付合いの親密性が高い文化的背景から来ていると情報通信省に勤務している友人が教えてくれた。
6年ぶりのジャカルタであったが平均的な家には車と衛星パラボナがついた。トヨタ・ホンダ・スズキなどの日本製自動車のシエアは95%と驚異的。今後も親日的であって欲しい。
各国の携帯事情を調べるのが仕事なのか趣味なのか判らなくなってきてる。先日もタイ、インドの状況を見て来た。
タイは急速な経済発展から携帯電話の普及が進んでいるが、特に今年になってスマートフォン(スマホ)が人気になっている。
以前はブラックベリーが主流だったらしい。しかしここにきてiPhon4が人気を伸ばしてきているようだ。
タイといえば人口6800万人、携帯電話加入者数は9000万になる。人口より加入者数が多いのはシムカードを交換して一人当たり2台以上持つアジアに良く見られる使用方法から来ているようだ。
Advance Info Service(AIS)という会社が最大シエア5割弱である。元国営通信企業から発展したというから丁度日本のDocomoに近いのだろうか。
若い人はキャンデイバー型の第2世代携帯ではなく、一図にショーウインドーに飾ってあるスマホを「かっちょえー」といった感じで物色していた。
価格は日本よりやや高め、一人あたりの給与が月3~4万なので7万もするiPhoneを買うのは月給2カ月分だ。若い人はちょっと手が出ないだろう。しかし街ではビジネスマンを中心に結構見かけた。
ちょっと面白いのは縁起の良い携帯電話番号とトレードする店が成り立っていること。流石風水の流れが息づいているお土地柄。日本ではアドレス機能に頼り切って携帯番号を覚える必要が無いと思っているので、この市場は新鮮に映った。
写真協力 CDI 小島AP
日本はブロードバンド普及率が99%だそうですが、米国では50%位。日本を100%にすべきだという議論をしているようですが、米国のあの広大な土地で日本並みの普及ができるでしょうか。おそらく無理だし、そのコストは無駄になるでしょう。
今のままでも日本にひとつもないフォーチューン100に入る世界のトップICT企業が幾つもあるではないですか。ですから日本と同様にといった文言は止めたほうが賢いのです。
日本品質・いわゆるメイド・イン・ジャパン(MIJ)は80年代には世界に通用した、そこそこの価格で高性能の製品を電気機器や自動車を中心に輸出し、それが当時は大国との軋轢はあったものの多くの国で支持されたものだったと思います。
しかし当時30%~50%あった各製品の国際シエアはニッチ部材を除く多くのものが2%~8%程度、つまり殆ど無いに等しい状況になっています。それは言って見れば日本の製品の多くがいつの間にか抱えるようになった高機能高価格という特徴よりも中国などの新興国が出す小機能超低価格が指示されているということです。
特に日本のように中間所得層が厚い奇跡のような国は殆ど無く、多くの新規購買層がいわゆるBOP(ボトムオブピラミッド、抵所得層 年収であえて言うと1万~50万位)であるからでしょう。
かってのMIJの精神であったら、このような市場に向けて、驚くような製品を出したのではないかと想像します。勿論安全安心高信頼性という食物などのケースはありますが、例えばICT産業が高機能高価格さらに日本人向けといったものがMIJになって欲しくはないと思います。
1位 中国 7億4738万 2位 インド 5億2525万 3位 米国 2億7050万
この順位が何のものなのかすぐ判る人は凄い。
実はこれは世界の携帯人口(正確には携帯出荷台数 出所 総務省、ITU 2008)です。
世界に30億台と言われている携帯電話機器ですが、この上位3カ国で半数を占めています。BIRCSなど新興国の需要でこの10年で大きく順位が入れ替わっているようです。
では日本は何位でしょうか?。実は上位6位には残っていません。
4位ロシア 1億9952万 5位 ブラジル 1億5094万 6位 インドネシア 1億4077万
やっと7位 日本 1億1035万 ついでドイツ 1億 550万などが続きます。ちなみに順位は私が勝手につけたのでもれ・誤りがあったらごめんなさい。
世界の潮流となったテクノロジーグローバリゼーションの進展は加速度的に進み、製品や原材料の貿易のみならずサービスや海外投資の自由化や、技術供与のオープン化を実現してきています。
これまで内需依存型だった日本企業が国内市場のシュリンクと新興国からの浸食に対抗していかに国際化を展開していくかという議論がなされていますが、この数字を見ると日本だけで携帯商いをやっていてもスケールメリットは獲得できないことが良く判ります。
では、どこの国に商いを仕掛ければいけるのでしょうか。
再度中国市場に3Gで挑戦するか、日本方式が採用される可能性がある南米ブラジルに大航海するか、長年親交のあるインドネシアに進むか、オプションが複数ある気がします。
3Gの運用実績だけは世界NO.1のインフラ・リッチ国の特性で勝負をしていくのでしょう。
ちなみに、世界の携帯を最近集め始めているのですが、これが各国違うのです。ブラジルのOI社のものはキラキラして日本でもいけるのではないかと思えるほど可愛いものがありました。(写真は日本のPHSです)
「国際戦略(新興国市場への展開)が日本企業に残された数少ない成長戦略である」 出所:『経営戦略』 横山著 という言葉を実に痛感しています。
話の論点が変わるかもしれませんが、国力というものは何かということを改めて考えさせられます。かっては資源、地理的トポロジ、人口、民度といったものが教科書的にあったと思います。
しかし、80年代の電気製品で世界市場を席巻した日本は上記のパラメーターでは説明できないということが判っています。その原動力となったのが一説ではTPS(トヨタプロダクションシステム)による低価格での高品質製品の製造-いわゆるメイドイインジャパン-だったとも言われています。また、別の見方では米国の国際戦略上で非軍事国家の産業育成機会を自由経済陣営で設けたとするものもありました。
本当の理由は何だったのか、今後改めて研究する価値があると思います。
さて、隣国であり巨大国家である中国はまさに人口そのものが国力となりつつあるのでしょう。10年後のGDPは現在の2倍となりほぼ米国と拮抗する国になるという予測があります。
その中国で大きな変化が起こっていることをCDI上海オフィスから伺いました。ひとつには八〇后(バーリンホゥ) 世代が台頭してきていることでした。バーリンホゥとは1980年代生まれの若者という意味合いです。現在だと30歳前後の若者になるのでしょうか。この世代は中国が改革開放経済に移行して「市場経済とともに育った」世代であることから市場経済を素直に受け入れており、それまでの前世代の価値観を持った世代とは根本的に違うものを持っているようです。
さらに、国策としての一人っ子政策が始まった以降に生まれた世代であり、急速に経済発展し、所得伸長があった両親をもった一人っ子、つまり家計としての高い購買力を持った世代であり、このような一人っ子がなんと2億2千万人ほどいるようです。
勿論上海のような大都市近郊と、南西部とでは所得が10倍以上も異なるので一概に日本の若者と同等の購買力を持った人口が二億人いるとは言えないでしょうが、それでも極めて大きな市場があることは容易に想定されます。
日本にも団塊の世代やバブル世代という言葉がありましたね。バーリンホゥとはそれ以上インパクトがある中国の社会の変革がもたらされる気がします。
上海のナイスな携帯ショップ 2010.3
仕事で上海の空港に向かった。
旧正月近くだというので便はほぼ満席で
片道3時間という移動時間にも関わらず疲れた顔が多い。
ご自慢の二リアモーターカーは440キロで飛ばすが、約8分で終着駅までつく。快適な移動手段というよりも400キロ体験で近代化をアピールしているようです。
スピードメーター付きなのでついつい写真を撮る。
上海を中心とした地域は3つの良い話題が展開している。このために各国企業がさらなる進出を考えているとされる。まず上海万博の開催とそれによる特需がある。次に中国政府の産業振興政策の強化を上げたい。政府予算8兆元(約120兆)に上る見込みであり、関連する税収は6.3兆元(約100兆円)にも上る。わが国の税収の倍以上だ。また、GDP成長率が09年8.7%をいう高水準を維持したこともあげるべきでしょう。
一方、製造業を中心とした産業界の見方はこれまでの楽天的な視点ではいられなくなっているようだ。幾人かの日中合弁企業、さらに日本企業の上海郊外の製造企業の方のお話では人件費の上昇や通貨切り上げに加え、他のアジア圏、東欧圏の伸びがありコスト競争力が年々低下していることなどがあるようです。
町を歩くと購買意欲が旺盛なのが分かる。聞けば物価は年々上昇し、ブランド品は日本とあまり変わらないというが、ざっとみたところ旅行バッグなどは半値くらいに感じる。電子機器などのブランドは圧倒的に韓国系のようだが、日本製品は化粧品や日用品、雑誌にわたり、ハイセンスなものとして受け入れられているようです。
写真は日本の雑誌が街角に並べられているキオスク。「原宿での流行りの店」などの記事もそのまま翻訳されて、しかもそれが売れているという。原宿通りもパリのように国際的な観光地になれるのかもしれない。
自動車がITになる日
日産はハイブリッドに出遅れて、今後エコ競争において苦しい商品展開になるのではと最近まで考えていました。
しかし、先日「ゼロエミッションカー リーフ」を見て私の考えが間違っていたことに気付きました。
フル充電で200キロほど走行できて、高速でも140キロ出せるバッテリー駆動エンジンがあれば今までのメインのガソリンエンジンの補完であったバッテリーが主役になれるからです。
そもそもハイブリッドはエンジン車の加速性能、高速クルーズと低速でのバッテリー走行を両立させるためのものであり、いわばエンジンが2つついているとも考えられます。
しかし、バッテリー車の走行性能があがりさえすればガソリンエンジンは無くても良い、いや、コスト低減や重たいエンジンがないことによる斬新な車体設計の可能性が広がるということからも、無いほうが良いと言えるでしょう。
これまで「車」はエンジンの大きさや位置の最適化を試行錯誤してきた歴史であるといえるのではないでしょうか。スバルの水平対向エンジンは車の中で最も重いエンジンを左右対称の形にするという努力で車のバランスを左右完璧にすることを狙ったものです。
ガソリンエンジンが無い車はあたかもホストコンピューターが無いクラウドコンピューターでのグリッドコンピューティングのアナロジーの様とも思えます。
シリコンバレーでハイテクカーのベンチャーに資金が集まっていることもうなづけるでしょう。
一方、自動車の設計・製造がITベンチャーなどに大きく広がっていくことで、これまでの日本車の競争優位が失われるといった声もあるようです。
確かに大資本、垂直統合、裾野産業の広さといったビジネスのルールは小資本、水平分業、共通プラットホーム化の推進という方向性に多かれ少なかれ進んでいくものと思われます。どのようにマネタイズしていくかが、少数の例以外に見ない処もクラウドと共通点があるように感じています。
自動車はITC(ETCや安全制御)などからICTとの融合を進めて来ていましたが、基盤である車体そのものがIT化していく、その加速度は速まっていくでしょう。
写真は筆者が横浜日産ショールームで撮影 ボデイはマーチ、FITより大きめ。
久々のブログになります。
先日、お会いしたデジタルサイネージコンソーシアムの方のお話がとても印象的でした。
話というのは2点あって、まずは企業がデジタルサイネージの使い方が間違っていると指摘されていた点です。この点も中々面白いのですがここでは割愛です。
もう一つが企業はデジタルフォトフレームをばらまくべきだと進言されている点でした。丁度年末にかけて各企業は企業名やロゴの入った来年のカレンダーを作り、お得意様やお客様に配布するわけです。
でも、どちらかというと企業名が入っていてもデジタルフォトフレームをもらった方が嬉しいでしょう。家族や世界遺産などの自分の気に入ったデジタルフォトを入れればインテリアとしても楽しめるし、スライドショーのように分単位で変わっていけば飽きもこないと思います。
さらにコストも上質の紙媒体のカレンダーと安価なデジタルフォトフレームとは大きく変わらないようですし、それならば思い切ってデジタルフォトフレームをばらまくこともあり得るようになってきていると思い返しました。
何よりインパクトが違うでしょう。電力も微小なのでCO2にも大きな悪影響もないですし、たまにカレンダー以外に企業の紹介などが映るプログラムが内蔵されていても許されるのではないかと思います。
数年前から次世代のテレビの進化について多くの議論や技術が出て来ていました。しかし、何も映像情報を全てテレビに出す必要はないと考えるようになりました。何も写真だけ映すこともないので、通信機能さえつけていけばリビングにあるもう一台のデジタルスクリーンの座を確立できるかもしれません。
この辺りのビジネスを考えている方もいるのだろうと思います。出来れば通信会社以外の事業者がいろいろなサービスを展開できると良いのですが。先日、「美人時計」なるものを知りましたが、(街角で美人が時刻を書いた黒板を持っている写真が分単位で変わるサイトです)とても楽しいではないですか。
携帯産業とは過去数年間、新規市場が見出しにくい日本の家電メーカーを引っ張ってきたと言っても過言ではない産業であったと言えるでしょう。しかしここ数年市場が飽和してきたことと、販売制度の変革により国内での携帯製造企業は大きな痛手と変革を迎えていると言われています。
では誰が携帯産業をひっぱってきたのでしょう。大手3~5キャリアであるということは間違い無いでしょう。また、3G、3.5G、3.9Gなどの規格の高度化を図り、携帯によるデータ通信の大容量化と国際競争強化を図ってきた中央官庁もある意味、ひっぱってきたともいえるでしょう。
ワンセグなどのサービスがこれだけ短期間に導入され普及出来たこともこれらプレイヤーが大量に市場に技術を投入できたことが大きいと考えます。
しかし個人的にはケータイはもはやかってのわくわく感が無くなったような気がします。個人のすきま時間を活用させてくれるものというよりはビジネスやプライベートの汎用的なツールとなって来たようです。どうして最新技術が投入され続け、市場が拡大してきた製品が魅力を喪失したのでしょうか。
ひとつにはケータイはデバイスの進化という方向性からネットを通じてのサービスの進化という方向にレベルアップしてきたことでなないかと思います。そう考えるとやはりキャリア主導の垂直統合型サービスという点はそろそろ限界があるのかしれません。
先日『世界一不思議な日本のケータイ』 (谷脇康彦著)という本を頂いきました。本書は著作名とは違い、日本の携帯がどこの国とどう違うということは扱ってはいません。では何が不思議なのでしょうか。
ひとつはキャリア主導の垂直統合モデルがまがりなりにも成り立ってケータイ大国となっている点があるのでしょう。しかしいまひとつとして、世界的に高額な通信料(本文13P 東京の1分あたりの利用料39.4円であるのに対しニューヨークでは11.7円)を払っており、さらにほとんど実用以上のハイスペックな端末の購入費用を払っているにも関わらず、消費者がその点を強く指摘しないことなのかという点があるように感じました。
そのマジックというか、賢明なマーケティングの種(たね)としてはやはり0円携帯と「無料通話」という無料感の演出のたまものと、業界全体といってよい複雑な割引体系にあるのでしょうか。
著作の全篇に通じるのはモバイルインターネットの国際的な進化の中で、携帯というデバイスに拘泥せず、そこから新たなビジネスモデルが生まれるのではないかという予測とそのためにはキャリア以外が市場に参入しなくてなならないという仮説を投げかけていると感じました。私のような若干専門知識がある人間でも大変参考となるばかりか、これからの時代の新規事業とはと考える方にもお勧めできる内容となっています。
さて、私個人はキャリア主導も悪いことばかりでは無いと思っています。しかし、携帯上位3社のみが儲かる仕組みというものは長期的には受け入れられないものです。対局的にあるものの例としてはGoogle Androidというサービス・開発基盤が良くあげられます。これはデバイスの先にあるクラウドサービスが携帯からノックできるという構造でしょう。また、iPhoneも通信設備をもたない企業があれだけの商品がグローバルに展開できたということから非日本モデルともよく言われるのでしょう。
陳腐なアナロジかもしれませんが、かってインターネットは物理設備をもってポータルを抑えたAOLなどの企業からWebサービスを浸透させ利用者の支持を集めたAmazonやGoogle,Apple(iPhone)いった企業に覇権が移っていきました。モバイルインターネットの世界にも同じことが起きないということは言いづらいのではと考えています。
コンテンツ産業が今後の重要な一大産業となると言われて久しくなります。一昨年、国際競争力に関わる仕事をした折に、日本のコンテンツクールジャパン等が競争力があるということを間近に感じてきました。また、仕事でエジプトのカイロを訪問した折に「私の子供が日本にアニメの勉強に行きたいがどこに行けばよいのか」など聞かれたこともあります。一方、コンテンツという事業体が産業と呼ぶには未成熟で、一部を除きクリエイターの方々が恵まれぬ環境にいるということも聞いていました。
私自身はコンテンツ産業が国際化し、新たなビジネスの基盤を構築するにはどのような基盤やとりきめが必要なのかという、乏しい視点で接してきただけなので理解不足の処も多々あると思います。しかし、やはり今後実効のある施策なり、コンソーシアムなりを展開していくためには、コンテンツというそうくくりでは無理があると感じています。
ある会議を傍聴させていただいた折ですが、ある方はTV番組のオンデマンドを言い、ある方はyoutube型の個人映像を言い、別の方は教育教材もコンテンツであるとしていました。これでは議論の土台が構築しにくいことは明白です。また、コンテンツの国際化という点でも、話を聞いても一層判らなくなりました。
日本のアニメを世界に売るということだけではなく、(コンテンツ白書を見ると実際には世界中で放映されているにも関わらずビジネスモデルとしては課題があるとされていますが)、そのための吹き替えの問題、海賊版の問題、youtube型のプラットフォームでの課金の問題であるという見方もありました。これは戦略の未決定ということ以上に、短期的なゴールは何かとういうことに完全な食い違いがあるのではないかと考えました。
なぜこのように最重要であると言われてきたコンテンツに明確な仮題認識と方向性が出ないのでしょうか。それはコンテンツ産業の育成方針に保守派、中道派、改革派が混在しているということがあるように思えます。
保守派の代表としては放送局や大手広告代理店など、かなり高額な制作費と限定的なチャネルの利用権を保有して、高品質な番組を組織的に作成しておられる層にあたると思います。これらの高品質コンテンツはDVDやオンデマンドなど有料メディアとして再配信、販売されることから認証や暗号化、海賊版対策というテーマが重要になることになります。
保守的と呼んでいるのはコンテンツのデリバリやデジタル化に保守的ということでは全くありません。かえってAR(拡張現実)など野心的な機会創造を行っていると言えます。ただし国際展開については、収益の大部分が国内の広告メディアということから積極的とは言えないと思うことがあります。
では革新的という層はどのような層かというと、著作権議論では多かれ少なかれ問題があるものの、面白いということでいろんなサービスを検討されている方たちだと思います。ニコ動などもこれに近く、他にはメタデータだけ抽出したリコマンドサービスを企画したり、全放送を録画しシエアサービスを行おうとしたものなどありました。
それでもコンテンツ産業の裾野を広げるということではこの手の新たな付加価値サービスの検討は必須だと思います。早く整理がつき、気の利いたサービスがブロードバンドや次世代携帯で受けられると良いと思っています。
もうひとつ中道派という層はYOUTUBEのようなUGCからの議論からクリエイターの育成を重視している方々や高等教育のみではなく実践的な教育を与える人材育成機関の設置を進めたり、 エンタテイメントだけではなく、教育や医療までをコンテンツ戦略とする方々などさまざまだと思います。
別にスコープを必要性も無くナローにすることは無いと思います。ただし、大きな市場機会があるという共通認識があるにも関わらず、したいことでも出来ないことがある、さらにはやりたい人がすぐに出来ない壁が多いという状況があるなら、改善していかないと、本当に海外に追い抜かれさらにはやる気のある方々が渡航してしまうのかもしれません。
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