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学生や社会人教育の中で見えてくる、ふと気になったことをつづっていきます。

「どちらかというと」を表現したい〜「アリよりのナシ」や「ナシよりのアリ」

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「ナシよりのアリ」
「アリよりのナシ」
「アリよりのアリ」
「ナシよりのナシ」
って表現を知っていますか?

最初にこれを聞いた時は、思わず?
「えっ?在原業平(ありわらのなりひら)?」の聞き間違いかと思いました。

これははいわゆる若者言葉です。

すごく複雑な様ですがこの言葉、結構見事です。

なぜなら、程度の加減を表現する意図が含まれているからです。

何かについての意見を求められた時に、はっきりとそれに対して同意できる(アリ)か、できない(ナシ)の返事はしにくいときがあります。"積極的に同意ではないが同意する"ときに、「ナシよりのアリ」という言葉はとても有効です。

丁寧な表現にするなら「どちらかというと賛成です。」というニュアンスでしょうか?

「どちらかというと~」という加減が表現できるのが良いことだけでなく、この韻を踏んだような表現方法には脱帽です。

こういう言葉が若者の中で生まれる背景の中には、その微妙な加減を表現するにはどうしたらよいか、若者なりに考えた結果ではないでしょうか?

コミュニケーション下手だと言われる若者たちですが、実は彼らはコミュニケーションの表現について、いろいろ工夫をしているなぁと思いました。

参考までに、冒頭の表現は以下のような解釈ではないかと思っています。

「ナシよりのアリ」~"積極的に同意ではないが同意する"
「アリよりのナシ」~"わからなくもないが、同意できない"
「アリよりのアリ」~"積極的に同意できる"
「ナシよりのナシ」~"全く同意できない(反対意見だ)"

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