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ソフトウェアは私たちに幸福をもたらすことができるのか

Happy Birthday dear XML!!

 今日、2008年2月10日で、XML (eXtensible Markup Language) 1.0が勧告(仕様決定)になって10年が経ちます。私は、10年前の今日(米国時間)を昨日のことのように鮮明に覚えています。というのも、XMLが勧告になるこの日を、今か今かと待ちわびていたからです。

 なぜか?それは、XML技術によって、世の中が変わる。そして自分たちが変える一端を担うことができると考えていたからです。(「世の中」とはまあ大仰な言い方ですが、本当にそう思っていました(笑)・・・今もそうですが・・・)

 当時、XMLはSGMLを簡易化しインターネットに適する構造化ドキュメント技術としての性格が強く、仕様のEditorの一人のTim Brayでさえ、XMLが汎用データフォーマットに使われることに懸念を示していたほどです。しかし私は、ソフトウェア、OS、ベンダーを超えた共通言語が必要だという結論にたどりついていましたから、XMLが、そのために使えるかという点で同僚の北原(現:インフォテリア副社長CTO)と研究した結果、「この仕様でいける」という結論に達し、週末毎にビジネスプランを考えはじめました。3ヶ月後の1998年6月1日、私と北原は同時に辞表を出しました。そして、一日も早く退職してXMLソフトの開発を始めたかったのですが、すぐに辞めることはできない職に就いていたため、3ヶ月の移行期間をもらうことでようやく会社のOKをもらい、1998年の9月1日に、日本で最初のXML専業ソフトウェアベンダーとして、インフォテリアを始動したのです。

 つまり、この2月10日というのは、私たちインフォテリアが生まれる原点であると同時に、私の人生にとっても大きな転機となった「XMLの誕生日」なのです。当時、XMLも「yet another three-letter acronym」の一つとも言われ、普及に疑問を持った人も多かったのですが、私は「この技術はASCIIと同じように20年以上使われる技術です」と言って布教活動(笑)をしていました。

 10年という月日を経て、XMLは典型的な新技術のハイプカーブの波を乗り越え様々なシーンで使われるようになりました。今日では、世界中のブログや記事がXML(RSS)で配信され、Microsoft Officeの標準フォーマットがXMLになるとなるなど、いまや世界のITがXMLなしでは成り立たなくなって来ています。一方で、まだまだXMLの使われていないソフトウェアや環境は多々存在しますから、これからもXMLはさらに普及して、世界の「つながり」を促進していくことでしょう。

 今日、10歳の誕生日を祝うことができることは、自分のことにように嬉しく思います。また、同時に生みの親であるXML Working Groupの皆さん(下記)に改めて敬意を表します。

Jon Bosak, Sun (Chair);
James Clark (Technical Lead);
Tim Bray, Textuality and Netscape (XML Co-editor);
Jean Paoli, Microsoft (XML Co-editor);
C. M. Sperberg-McQueen, U. of Ill. (XML Co-editor);
Dan Connolly, W3C (W3C Liaison);
Paula Angerstein, Texcel;
Steve DeRose, INSO;
Dave Hollander, HP;
Eliot Kimber, ISOGEN;
Eve Maler, ArborText;
Tom Magliery, NCSA;
Murray Maloney, Muzmo and Grif;
Makoto Murata (村田 真), Fuji Xerox Information Systems;
Joel Nava, Adobe;
Conleth O'Connell, Vignette;
Peter Sharpe, SoftQuad;
John Tigue, DataChannel

 XML、10歳おめでとう!そして、ありがとう!

平野洋一郎

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平野 洋一郎

インフォテリア代表取締役社長/CEO。主力製品ASTERIAでシステム開発の新たな形を提案するとともに、OnSheetやHandbookなど新たな分野のソフトウェアに挑戦する。

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