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夏目房之介の「で?」

映画パンフ第四弾。

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映画パンフ第四弾。「007カジノロワイヤル」は、例のシリーズとは無関係に豪華な監督陣、役者をめたくそ揃えて、超おふざけのパロディ映画を作っちゃった映画。デビッド・ニーブン、ピーター・セラー、ウッディ・アレンのほか、ジャン・ポール・ベルモントやピーター・オトゥールなんかがチョイ役で出るという、とんでもない奇作。僕は大喜びで観てたけど、前で観てたおじさんが「何だこりゃ、さっぱりわからん」といってて、ここまでいっちゃうと多分興行的には失敗しただろうと。でも、この映画だけはスクリーンで観ないとなぜか全然面白くない。「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」という、しょうもない日本タイトルの映画は、じつは同時代人であるホームズとジーグムント・フロイトが偶然出会って、お互いに影響を受けつつ事件を解決し、それぞれの方法論を確立するという、超面白いアイデアのホームズ物映画。面白かったっす。「チャンス」は、1079年(日本公開は81年)のピーター・セラーズ晩年の名作。ピーター・セラーズ好きならぜひ観てほしい。エンドロールの映像も最高。ニーチェのツアラトストラ」が原案らしい。びっくり。「カサブランカ」は、じつはウッディ・アレンの「ボギー、俺も男だ」というパロディ観てから、オリジナルをみたという。やっぱ、かっこいい。映画と男がかっこよかった時代が、かつてあったのだった。阿久悠の歌詞みたいだけど。「2001年宇宙の旅」は、今はなきテアトル東京の大画面で都合3回、違う場所の席で観たというのが自慢。DVDだと、最後の肝心のスター・チャイルドと地球の対面シーンが、同一画面では観られないないんだよね。今や、あの横長スクリーンがないので、多分観られないのかしらね「TOKYO JOE」は敗戦直後の東京の景色が映るボギーの映画。「ハリウッド映画のヘンな日本」が大好きなあたしにとっては好物。誤解とは創造である、なんつて。

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