オルタナティブ・ブログ > 夏目房之介の「で?」 >

夏目房之介の「で?」

DVD『ゴースト イン ザ シェル』

»

DVD『ゴースト イン ザ シェル』


レンタルDVD出たので、観ました。まあ、予想よりはよくできてるというか、まずまずの感じ。押井版のハリウッド実写ということで、テーマ的には別に深くなってもいないし、むしろややわかりやすくなっている感じかな。原作マンガ、押井版アニメ、TV版といろいろそれなりに観てる人にとっては、何も新しいものがないというべきか(こんな映像が可能になっちゃったんだ、という意味では凄いんですが)。まあ、フチコマ的な戦車は出てこず、最後に出てくる悪役の多脚戦車は妙に無骨で格好良くないぐらいかな。あと、たけしの荒巻課長は日本語でしゃべるし、やっぱたけし。そういう中で、いちばんふつうにアジア人顔のトグサが出てくると、ナゼか少し安心したりして。
、、、、、とまあ、いろいろあるっちゃあるけど、ほとんどがこちらに蓄積している「攻殻」イメージの記憶による「違和感」だったりするので、それをのぞけばそこそこのデキなのかな、という。こういう作品って、評価が難しいっすよね。それこそ、アイデンティティって記憶なのかな、ってうテーマに近いっちゃそうかもしれん。
スカーレット・ヨハンソンが好きな僕としては、ひたすら彼女を観てたので、別に不満はありません。たしかに、あの肉襦袢には違和感がないといはいいませんが、そらあマンガやアニメの草薙素子のプロポーションを求めるのが無理というものなので、予告を何度も観てるうちに心の準備はできちゃったし。
そういう意味では、様々な領域で作品化され共有されたイメージを、さらにリメークする作品の観方というか、受容のされ方を考えるのにはいいケースかもしれません。
レンタルDVD出たので、観ました。まあ、予想よりはよくできてるというか、まずまずの感じ。押井版のハリウッド実写ということで、テーマ的には別に深くなってもいないし、むしろややわかりやすくなっている感じかな。原作マンガ、押井版アニメ、TV版といろいろそれなりに観てる人にとっては、何も新しいものがないというべきか(こんな映像が可能になっちゃったんだ、という意味では凄いんですが)。まあ、フチコマ的な戦車は出てこず、最後に出てくる悪役の多脚戦車は妙に無骨で格好良くないぐらいかな。あと、たけしの荒巻課長は日本語でしゃべるし、やっぱたけし。そういう中で、いちばんふつうにアジア人顔のトグサが出てくると、ナゼか少し安心したりして。

スカーレット・ヨハンソンには、超能力者になっていく過程を描いた映画もあって、それもDVDで観ましたが、そのときはキャラクターになりきって見えました。なんでそういう印象をもつのか、自分でも説明はできませんが、今回は最初っから最後まで、何に「なって」いいのかわからない印象を受けました。同一化すべきキャラクターをつかみきれてない感じで、それが「記憶」を奪われてアイデンティティが不安定であるという設定からくるのか、そもそも日本版の作品が先行していて、しかもそれがアニメであるという理由によるのか、そのへんはわかりません。

http://eiga.com/news/20170103/8/

Comment(2)