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夏目房之介の「で?」

みなもと先生ぱーてぃ その4

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壇上でみなもと先生と話すモーニング創刊編集長・栗原良幸さん。その彼が何故ここにいるのかと思って、この祝辞の前に会場で栗原さんにお聞きしたら、何と、講談社入社してマガジン配属になり、初めての担当が『ホモモセブン』(1970年)だったんだそうです。なので、「担当としては面白い作品でしたか?」とお聞きしたら、「微妙だ」と。たぶん、栗原さんは『ホモホモセブン』の面白さがわからなかったんでしょうが、それで「これは、マンガとして面白いというより、この漫画家がこれを面白いと思ってるところが、おかしいのだ。マンガには、面白いマンガと、オカシイマンガがあるのだ」と納得したのだといってました(正直、わかったような、わからんような独特の栗原節ですが)。たしか、宮原さんもあまり評価してなかったように聞いているので、不思議がってさらに聞くとじつは、当時の編集長内田勝さん(あれ、すでに元かな。調べてみないとわかりませんが、多分)が好きだったんだそうです。このあたり、当時のマガジン内部の力学を少し知ってると、まことに興味深い証言でしたね。ちなみに、栗原さんは講談社ではじめての「マガジン配属(すなわちマンガ志望)の新入編集者だったそうです。僕の知る限り、67年以降、はじめてマンガ志望で出版社に入社する若者が出始めています。逆に言えば、「マンガ編集者」は、この時代以降に成立すると考えられます。

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