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夏目房之介の「で?」

11/07の記事 NHK「新・映像の世紀」(1)

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録画しておいたNHK「新・映像の世紀」(1)をみた。第一次世界大戦が欧米世界とアラブにとっていかに大きな変化をもたらしたかを、当時の映像とともにみられたのは、まことに興味深かった。まさにこの時代に映画が大量のドキュメント映像を残し始める。アラビアのロレンスと英国によるアラブへの裏切りが今にいたるパレスチナ問題をひきおこす過程、レーニンの時代におこった粛清、ユダヤ人難民の問題など、冷戦崩壊後の情報公開による情報と当時の映像が組み合わされて、映像と歴史観の問題を考えさせられる番組だった。総力戦時代に突入した戦争の経験者の証言、女性による後方労働力の問題(これが女性の社会参加を劇的にすすめたといわれる)などもあり、全体として第一次大戦が世界構図に起こした変動が多角的にわかりやすく構成されていたと思う。

大反響を呼んだ「映像の世紀」から20年。新たに発掘した映像を最新のデジタル技術によって修復、新シリーズとして薄れゆく人類の記憶をよみがえらせました。
nhk.or.jp|作成: 日本放送協会
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