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夏目房之介の「で?」

練馬区立美術館「あしたのジョー、の時代展」

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Photo 本日は自主ゼミの企画で練馬区立美術館に「あしたのジョー、の時代展」を鑑賞に。しかし、案の定学生は二人しかきていなかった。

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 この展示は『あしたのジョー』の原画展示によるストーリー解説と、同時代の諸現象を組み合わせて構成されている。原画、セル、アニメグッズや丹下拳闘クラブの模型などと、雑誌、フォークソングブーム、TVCM、当時の新宿の写真やスケッチ、力石葬儀と寺山修司及び「天井桟敷」、アングラ演劇やパフォーマンス、そのポスターなど、時代状況を感じさせる展示で観せる。軸になっているのは「肉体の復権」的な時代の流れと三島自刃や土方巽などをからませた視点。

Standa_up_joe http://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/bunka/museum/tenrankai/joe2014.html
 はじめ学生がいなかったので、一人でじっくり観ていた。あとで学生が二人来たので、「あ、これ多分新宿南口のとこ」とか「この店よくいった」とか、思い出話をしながら2時間以上丹念に展示を観てしまった。自分でいうのも何だが、当時をリアルタイムで感じていた人間の証言つきで観られるチャンスだったのに、おおむね学生はこういうのに興味をもたないものなのだ。まあ、無理もないが、歴史に興味をもつ人が少ないのかなあ。

学生にはいささか迷惑だったかもしれないが、僕個人は楽しかった。





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