オルタナティブ・ブログ > 夏目房之介の「で?」 >

夏目房之介の「で?」

八卦掌の練習指導について

»

最近、ああ、そうだったのかな、と思った李先生の練習指導について。

ここ1年ほどだったかな。もう少し前からかもしれないけど、李先生に龍形走圏を同じ点で直されてきた。
ひとつは、腕をよくのばし、とくに下の腕をのばすことで、背中に張りを作ること。また、腕をリラックスさせた上で、それまでまっすぐにしていた手首を立てること。そうすることで、背中、および手首を強くできるのだ、と李先生はいわれた。
この2点は、気をつけて練習し続けて、今年になってからは多分いわれなくなった。と同時に、とくに獅子形で、もっと胸を落として、ぐっと背中を張って繋げる感じでねじりを深くする形に指導された。

で、八卦大刀の練習を初めて気づいたのだけど、これって要するに大刀のための練習だったんじゃないか、ということでした。まず、背中、とくに肩甲骨まわりの筋を繋げる感覚で、ようやくあの大刀をキープできたこと。また、大刀をコントロールするために手首の強さが要求されること。さらに、背中全体(肩甲骨から腰)のつながりが大刀制御にも重要だろうことも予想される。

ある程度作られた背と腕の筋で、まだ制御できないバランスの大刀を扱うことで、負荷をかけ、さらに鍛える。その上で、獅子形に戻り、さらに128式の残り部分をできるようにしてゆく、というカリキュラムではないか、という感じがしたのだ。だとすれば、かなり長期的な目的で練習を組み立ててこられてきているということだろう。

もちろん、似たような指導を受けてきた人もいれば、そうでない人もいるだろう。それぞれの指導は、それぞれの体の特性、出来上がり方によるものなので、僕がそうだったからといって、ほかの人がそれを踏襲することが必ずしもいいとは限らない。当面、李先生の指導を守って練習すべきだろう。

それよりも、ジュラルミンの模造刀とはいえ、あの巨大な刀を使っての練習を、おいそれといつもの自己練習場所の公園などでは、できないことが問題だ。女性の会員たちですら、はじめてギラギラの大刀をみるとびびるのだから、子連れのお母さんなんか、恐怖を感じるだろうし、通報されかねない。かといって夜中にやっていたら、余計通報されるんじゃないかとも思うし。さて、どうしたものかなー。

Comment(4)