夏目房之介の「で?」

八卦掌と「眼」で「見る」こと

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 今週あたま、じつは風邪で二日ほど寝込んでいた。熱が出て、最長14時間ぶっ続けで眠った。一瞬インフルエンザかと思い(八卦掌を始めてからほとんどひかなくなった風邪をひくと、なぜか高確率でインフルだったのだ)、明日病院に行こうと思ってたら熱が下がった。二日で熱が下がればまずインフルではないので、そのまま仕事。でも、練習をしても丹田の充実が軽い。弱弱しい。おまけに風邪の残りか、八卦掌始めて以来、ほんとに珍しく胃腸の調子が悪く、水曜の半日ぶっ続けゼミの日など、久々に胃が痛んだ。
 今日水曜、講義と学生の相談ののち、夜は李先生の講習会だったのだが、さて、どしよーと思っていた。気持ちがややなえている。とはいえ、風邪の治りかけにきちんと練習すると治ることも多いので、なえる気持ちに鞭打って、行ってみた。
 結果、きっちりと練習したら、あら不思議、後半にはどんどん充実してきて、元気になってしまった。様子によってはすぐ帰ろうかと思っていたが、結局食事会へ。本日は、李先生と、カナダの初参加の女性も一緒で、日本語、英語、中国語が飛び交うにぎやかな席となった。あっちでは武術の話、こっちでは李先生が犬にかまれた話、カナダ女性は日本人の友人たちの素晴らしさを語り、どこを聞いていいのかわからん状態に。
 ともあれ、今のところ、風邪の払拭には成功したようだ。

 さて、今日の練習は、前半、走圏、単換掌ともひとつ。
 で、李先生が、注釈を。
 足を確認しようとしたり、動きを見ようとして、顔を動かしてはいけない。姿勢が崩れる。もちろん、歩法を正しくしないといけないし、見なくてはいけない。が、目で見るのではなく、体の中心の感覚で「見る」のだと。「歩法」の隣に「歩眼」と書き、こういうのだという。内感覚で感じてやろうとしてみると、たしかにできる気がする。
 後半は回身掌。ケリが二発入る。以前やったときより、丹田を意識して、できるだけ中正を維持して、スジで蹴ることをこころがけた。感覚が違う気がする。スジで蹴る感じを、更衣室で武術的には大大先輩のU氏に見て貰ったら、いいケリだ、と褒められた。自分では、よくわからないけど。

 練習後、確認のため、李先生に少し聞いて、「眼」というのは、実際に眼で見る視界だけではなく、空間を認知して動くことを含めて「見る」というのか、というような意味で尋ねると、そうだ、という答えが返ってきた。
 八卦掌は回転が多く、走圏も顔と眼の向きと歩く方向が違っている。顔と上半身は90度、180度、360度と、すばやく向きを変えるが、歩の向きは必ずしも一致しない。この練習を繰り返していると、どうも周囲の空間と方向の認識が多方向的に拡張され、見ていなくても認知できるようなってくるようには感じていた。本当にそうなのかどうか、とりあえず検証はできないが、そんなようなことと関連しているのかな、と思う。面白い。

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