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夏目房之介の「で?」

『武井壮40歳が挑戦 マスターズ陸上世界王者への道』(フジTV)

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http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2013/131101-447.html

 何となくザッピングしてて、途中から観ましたが、武井壮という人の人生背景が語られてけっこう興味深く観ました。「人に見てほしい、ほめられたい」ということを、両親がいない環境があったとはいえ、これほど素直に自分に認めて主張できるというのが、なかなか素晴らしいなと思いました。この人の厭味のない印象も、背景に唯一頼れたお兄さんの若すぎる死などがあってのことだと思うと、ちょっと感動します。

 ただ、本命の100m、200mですが、残念ながら100mは4位。200mでかろうじて3位入賞でした。もちろん、40代とはいえ世界の強豪相手にこの成績ですから、文句なく凄いことです。でも、彼の走りを見ると、素人の僕が見ても明らかに右肩への偏りが強く、もしこれが修正されてたら、効率も上がって、100mでの右選手との接触もなく、ひょっとしたら1、2位を取れたかもしれないと思わせました。彼が、たった一人で練習していなければ、あるいは修正されたところかもしれず、それを思うと惜しい気がしますね。
 短距離は、どれだけ早く姿勢をまっすぐにして速度を出すかにかかるようなので、体の小さい選手でも勝てるのは、小さいほど姿勢の立て直しが早く初速が出るからだと、以前TVでやってました。武井壮が勝てるチャンスは確実にあったんだと思います。次回もやるんでしょうかね。トレーナーでなくとも、姿勢を修正してくれる仲間と、トラックで練習すれば、もっといけるんじゃないでしょうか。
 多分、そんなことは重々承知の上での挑戦でしょうから、視聴者の勝手な思いですけれども。

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