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夏目房之介の「で?」

斬鉄剣の幻影

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 以前、固定した日本刀に銃弾を当てると、弾が真っ二つになるという実験を、たしか「トリビアの泉」でやっていた。当時、その話を八卦掌練習後の食事会でしたら、ほとんど全員が観ていて、みんな「斬鉄剣は存在した!」と興奮して話し合い、感動を共有たのだった。

 ところが最近、やはりTVを観ていたら、日本刀と銃弾に加え、バターナイフに銃弾を当てたらどうなるか、という実験をしていて、これがあーた、バターナイフも見事に銃弾を真っ二つにしちゃったのである。いやあ、がっかりしたなー、もう。リクツをいわれれば、たしかにその通り。そもそも銃弾は鉛なので、日本刀でなくとも、バターナイフのようなステンレスでも、鉛よりは硬く、高速で薄い面にぶつかれば裂けるのである。
 なるほど、そりゃあそうだ。そりゃあそうだろうけど、斬鉄剣のロマンもまた真っ二つに砕け散ったのであった。やっぱ、日本人だから「日本刀、すげえ!」って思いたいんだよねえ。男って、こいうところで、けっこう夢見がちなのだね。 

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