『孤独のグルメ』Season3「駒場東大前」
8月21日放映の『孤独のグルメ』Season3の7回目「駒場東大前」の「ボラーチョ」。録画をようやく観ましたが、ツボでした。
まず、「マッシュルーム・ガーリック」は、青学近くのスペイン料理屋で初めて食べて以来好きな料理で、けしてキノコ好きではないが、あればつい頼みたくなる料理なのだ。しかも、バケットの具合がまことに好みのカリカリ感で、食感の音がおいしいそう。こいつをガーリック味のオリーブオイルのソースにつてけ食うのが、何といっても好き。そのあとのカキグラタンにしても、うまいソースをバケットで掬い取って、きれいな皿にして返す快感に共感。
これは僕にとって、おいしい店に出会ったとき、いかにおいしく食べたかを店に伝えたい気持ちをこめられる行為なのだね。おまけに、駒場東大前は昔明大前に住んでいたときの散歩地域で、あそこはじつにいい散歩コースなんだよ。ゴローのようにゆったりと歩き回って、それからボラーチョのようなところで食事なんぞは、ひさしくやっていないが、僕のツボ中のツボなメシの食い方なのである。
ところで、TV『孤独のグルメ』の重要なところは、音、なんである。ゴローが食べているときの、バケットをむしる音、かじる音、口の中の音が、ちゃんと聞こえる。これが、メシの快楽の記憶を確実に呼び起こす。僕のようなパン好きには、今回とくにたまらんのだった。おいしいパンがあれば文句はないが、料理はそこそこなのにパンがいい加減だと機嫌が悪くなるくらいの人なのだ。ゴロー食事中の音に注意していると、空調の音らしきものも聞こえて、じつは周囲で一切物音を立てず、小さな音を拾っているのがわかる。撮影のとき、まわりが静か~にしてるというのは原作の久住さんに確認済み。
いやあ、ゴローの後ろにあったメニューの「タンシチュー」を、あのバケットで食いたくなったなあ。
ちなみに音楽は久住さんのバンドがすべてやってるそうだけど、昔のエレキ・インストゥルメンタルのテイストで素敵です。