日経は大衆文化系弱いね
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGR0400S_U3A200C1000000/
アングレームBD祭で『ドラゴンボール』が特別賞、という記事なのだが、
〈日本漫画などに影響を受けたフランス人が描くフランスの漫画は「バンド・デシネ」と呼ばれ、フランスの文化・芸術の一角を占めている。〉
とある。すごいね、どうも。
たしかに日本マンガに影響を受けたBDもあるし、日本やアジア、欧米各国のマンガの翻訳出版が、フランスのマンガ出版点数の半分を占めるといわれ、もっとも世界に開いた市場であることはたしかだが、アメリカン・コミックス、カートゥーン、日本のマンガ含めても、それらに影響を与えてきたのは、歴史的にはむしろ欧州のBDだといわれている。コミック・ストリップへの流れが19世紀前半スイスのテプフェールから始まるという最近のマンガ史でいえば、この記事は逆のように読める。影響をいうのなら、近年では相互的なものだ。
この文章では、まるでBDが日本マンガの影響で成立したかのようで、不確かな認識で、しかもヘタな文章で書かれてしまったために、ひどく誤解をもたらす書き方になっている。
日経は、ハイアートには力を入れるが、大衆文化系の記事は少なく、しかも認識がぐだぐだだなあと、昔日経とってたときによく思ったけど、いまだにそうらしい。
まあ、僕も詳しいヒトから見れば「何をいっとるんだ」といわれかねない程度の知識しかないのだけど、一応名の通った全国紙の認識として、このレベルということなんだろうか。BDとの交流がさかんになってきた中で、ちょっとなさけないね。
『闇の国々』が文化庁メディア芸術祭のマンガ部門大賞をもらったというのに。
http://books.shopro.co.jp/bdfile/2012/12/16.html