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夏目房之介の「で?」

『ネオ・ボーダー』1

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作・ひじかた憂峰、画・たなか亜希夫『ネオ・ボーダー』1巻(双葉社)

たまたま書店で見つけてしまった。最初は「え、『ボーダー』の新バージョン? 作者が違うけど・・・・」と思ったら、たしかに設定はボーダーっぽい、吹き溜まりに住まう若者の話なんだが、舞台が何と平安末期の京都。主人公は、なぜか巨大ブーメランの使い手で、妙にこだわりのあるアウトサイダー。彼が転がり込んだ下宿にメガネの童貞男とイケメンの遊び人がおり、今のところかかわっていないが、傀儡子一家の歌姫少女出てくる。コンビニはあるし、少女の歌は今のヒット曲だったり、時代検証はほぼ無視。なのだが、傀儡子一家の背後には弾左衛門、その配下の横目(これ、江戸時代じゃないかな、『カムイ伝』だし)。でも、そのさらに背後には後白河がいると弾左衛門がほのめかす。どうやら時代背景は、NHK大河と同じ保元の乱のあたり。そこんとこは面白くなりそうな感じが。しかし、たなかの絵は、ほぼ井上雄彦に。

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