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夏目房之介の「で?」

練習のあと、イノシシを食う

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日曜の講習会は、先月に続き単勾式という燕を象った動き。くるりと身を翻すのが特徴。以前習ったときは、もうまったく何が何やらで、すっかり身体が浮いてしまい、自分の身体内の感覚を感じながら動くなんてことはできなかった。が、今回は少しその点で上達したようで、李先生からは「今日の夏目サンの練習は非常によい」と褒められた。
また、前回の講習会では、僕の顔を見るなり「水分が溜まって、代謝が落ちている顔をしている。練習のあと、ゆっくり休みなさい」と心配そうにいわれ、このところ薬が効きすぎて脈も血圧も低すぎることを、ずばり指摘された。よく見てるなあ。その後、水分を取りすぎないようにしていたら「今日は、いい顔色だ」といわれた。たしかに、少し疲れやすいが、だいぶ調子はいい。李先生は、本当に個々の弟子の様子をきっちりチェックしているんである。驚き。
単勾式で走圏していたとき、そばに李先生が立って回りを見ていた。そしたら、普段ではありえないほど上半身の内部が「落ち」た。見られている、ということ以上に、何か不思議な効果でもあるかのように。毎回驚くのだが、やっぱり先生の前での練習は格段の効果がある。単勾式のように両腕を上げながら複雑に変化するものを、それなりに丹田を意識して動けるようになったのが嬉しい。病気も、だいぶ改善してきている。

練習場のある江戸川橋には、おいしいインド料理屋があり、ホントはそこにも行きたかったのだが、夜は息子夫婦の家でイノシシの肉を食べるイベントがあり、久々に次男と彼の友達も来て、家族でイノシシ・パーティがあった。嫁の実家が石垣で、先日ご両親がこられたとき、イノシシを罠で取る話を延々と聞き、興味深そうにしていたら、食べたいのだと思われたようで、捕獲して、大量に肉を送ってくれたのだ。

イノシシは、しょうが焼き、野菜炒め、煮込みなど、色々調理してもらったが、おいしかった。向こうではこれが一般的という煮込みは、ちょっと癖があり、他の連中は一口でやめていた。僕は、器一杯ぐらいなら問題なく食べれるが、おかわりをする気にはならない。「野趣溢れる味」という奴で、とくにスープの味が濃い。これが向こうでは「旨い」ということなんだろう。
動物の肉を食う、というのは、じつはその野性味のある匂いや味を楽しむものなのかも、と思ったのは、フランスで現地人の好む肉料理を食べたとき感じたが、そういう感じだ。他の料理は、臭みもなく、固くもなく、じつにうまかった。でも、これって都会的に洗練された味であって、肉料理を食う地元では「物足りない」のかもしれないな。日本の魚料理も、外国人にとってときに「生臭い」ものだったりするのと同じかも。

練習のあとにイノシシってのも、なかなかにワイルドだろ~~?

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