オルタナティブ・ブログ > 夏目房之介の「で?」 >

夏目房之介の「で?」

日本マンガ学会紀要『マンガ研究』vol.18

»

日本マンガ学会の紀要『マンガ研究』vol.18(2012.3)が届いた。同時に、2年分の会費請求も。年会費の納入を忘れていたみたいだ。わー、どーも申し訳ありません。すぐ振込みましたんで、今後ともよろしく。

で、今回は、わが身体表象文化学専攻の博士後期課程で、ボクの担当する3人の学生諸君の文章が揃い踏みしたのである。3人とも過去にも論文などを載せているが、同じ号に三人揃うのは初めて。ボクとしては、わが専攻の諸君の活躍が嬉しい。それぞれの論文の評価は、ぜひとも読んでいただき、批評していただければありがたい。

3人の論文、文章は以下です。

研究論文
三輪健太朗「「映画的手法」から「映画的様式」へ -マンガとPOVをめぐる諸問題-」
 「映画的手法」と呼ばれる戦後マンガ史の用語について、異なる媒体の比較についての原理的な考究から問題の整理を目指す。

可児洋介「「ねじ式」神話の成立 -つげ義春のマーケティング戦略-」
 戦後マンガの分野としての確立とともに生成した言説史を見直す作業の中で、つげ義春の作家像と、つげ本人を含む言説の戦略的な関係を批判的に考察。

論説
砂澤雄一「宮崎駿と福島第一原子力発電所事故 -「On Your Mark」試論-」
 マンガ版『風の谷のナウシカ』論を目指す中で、アニメ『ナウシカ』と『もののけ姫』との間の時期に、チャゲ&アスカのPV用として製作された「On Your Mark」をとりあげ、そのチェルノブイリ的イメージをめぐって作品構造を読み解く。

Comment(0)