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夏目房之介の「で?」

好きなTV番組

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格闘技を地上波でやらなくなって、もっぱらレンタルDVDと深夜のバラエティ中心に観てますが、お気に入りの番組は他にもあります。以前から好きなのは、「ザ・世界遺産」を観て、「夢の扉+」を観て、食事しながら「さんまのからくり」を観るという流れで、今でもそう。「さんま」はさすがに息切れ気味で、最近は今ひとつですが。

でも、「夢の扉+」は、いい番組だと思います。毎回、意外なアイデア、工夫、イノベーションの話をヒト中心にきちんと30分でまとめていて、今の日本で勇気の出る番組の一つですね。TV、マスコミの報道というのは、常にネガティブな情報を流したがり、経済的な問題や社会不安でも、なんだか日本が世界の中でも相当悪い状態であるかのようにしたがってます。が、まだまだ世界的には余裕があり(だから円高なわけで)、安全な国なんだと思います。自国民の自信を失わせ、消費に悪影響をもたらすネガティブな報道ばかりじゃなくて、ちゃんとこういうポジティブな側面もやってほしいんだよね。「ザ・世界遺産」は映像がいいです。

「ザ・世界遺産」
http://www.tbs.co.jp/heritage/

「夢の扉+」
http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/
http://www.tbs.co.jp/yumetobi/backnumber/

学習院に就職する前から始めた英会話のレッスンは、4年目なのに一向に進歩せず、ようやく現状キープの程度ですが、問題の一つがリスニング。基本的に英語を聞き分けられない。英語脳ができてなくて、音を識別する耳ができてない(単語数の絶対的不足はもちろん)。それで、何とか英語を意識的に「聞く」訓練をしようと思い、毎週NHK教育TVの二つの番組を観てます。

「英語でしゃべらナイト」は、これまたいい番組です。海外進出しようとしてたり、すでにしていて日本人以外の社員、上司とともに仕事をするようになった企業を、毎回取材して、ひとりの社員のプレセンテーションや営業、企画会議などを映してくれる。そういう現場が、意外な企業(たとえばスナック製造とかね)にあって、そこでどんな問題や必要があるかを描いていて、じつに興味深い。僕にはレベルが高すぎるビジネス会話ですが、それでも勇気の出る回があったりするし、何よりも耳を慣らすことができる。英語っていっても、インド人、中国人、ヨーロッパの人など、ネイティブの英語だけじゃないので、それこそ現場的で楽しい。

「英語でしゃべらナイト」
http://www.nhk.or.jp/night/archives.html

また、今年の夏にやったプレゼンテイションの3回講座は、とても面白かった。これは、日本の教育でホントにやれてないなと、大学に来て痛感した部分、いかに自分の考えを自分の言葉で、相手にしっかり伝えられるかという現場的なスキルを、簡潔に教えてくれる。

ゼミ生たちの発表を聞いてると、よく資料を集めてるけど、ずらずら文字を並べて画面に表示し、ずっと下を向いて原稿を読んだりしている。これは僕のゼミでは完全にアウト。表示するのは簡潔な言葉にし、資料はレジュメに入れておけばよく、そんなもの読み上げる意味はない(でも、そういうのが評価されるんでしょうけども)。実際に社会に出て仕事するときにはもっと自分の言葉で、感情を使って伝える必要が、ある。

そういう意味では、就活中の学生なんかには、とってもいい番組だったと思います。じつはゼミ生たちに見せたかったんですが、地デジTVにしたらダビングできなくなっちゃって、結局あきらめました。もったいない。

「夏の特別講座 英語プレゼンの極意1」
http://www.nhk.or.jp/night/archives/20110701.html

ところで、「しゃべらナイト」と並んで放映している「ニュースで英会話」も、リスニングの訓練にはいいです。「しゃべらナイト」よりさらに僕のレベルの及ばないニュース英語ですが、ニュースの背景解説や、ニュースで使った単語を日常ではどう使うか、あるいは日本人の投稿した英語のどこがヘンかの指摘など、なるほどーと感心しきり。かつ、ニュースネタの勉強にもなる。

けっこう観てると楽しいです。で、この二つの番組を毎週録画しておいて、おもに日曜に観て、さらにその後英語の映画DVDを観て、楽しみつつ耳を慣らす、というのをやってるわけです。で、月曜が英会話の教室なので、効率いいかな、と。これらは学生にも、社会人にも、おすすめな番組ですね。

「ニュースで英会話」
http://cgi2.nhk.or.jp/e-news/

※追申
「しゃべらナイト」のゲストが話してたことを思い出した。その人は、金融関係で活躍してる日本人ですが、文法的にはむちゃくちゃに近い。でも、みんな彼の話を聞く必要があるので、無理やり通じる。これでも、いいんだな、と思う。

その人が「英会話の教材を、みんな最初から順にやろうとして途中で挫折する。僕は、最初のステップをやったら、次に最終ステップをやってみる。もちろんわからないんだけど、それから最初に戻ると、簡単な気がするからやる気になる」といっていた。これも実践的な方法だなと思ったな。

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