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夏目房之介の「で?」

李先生の体験教室

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今は、李先生が日本に住んでおられるので、毎月前半に講習会と体験教室をやっている。僕は基本木曜の講習会にしか出ないのだが、先週の土曜は知り合いが体験教室に来るので、久しぶりに顔を出した。

体験教室は、初めて体験する人や、初心者の人のために開いており、1時間半で龍形走圏と単換掌をやる(場合によって、体験者が多いと変わる可能性もある)。ほんとに久しぶりに、李先生の指導で龍形と単換掌をみっちりやったら、単換掌の感じが変わった。

集中してやったせいか、扣歩、擺歩もきちんと意識し、これまでより背中を使ってゆっくり単換掌を試みることができて、あらたな感覚が生じた気がする。今までより、さらに背中を伸ばして、肩甲骨のあたりを広げ、力の感覚を感じたように思う。

これは、なかなか僕にとっても重要な変化で、たまに体験教室にも出ようと思った。

ところで、新規参加者にいきなり龍形走圏は難しいのではないか、と思っていた。僕は、最初の一カ月を熊形走圏、次の一カ月で龍形、三ヶ月目に単換掌という順序で習ったので、今でも熊形を基礎にしている。毎日の練習も、一番多くやるのは熊形。まずは、上半身を緩めて、すべてのものを下に落とす、という要素を重視したやり方だ。

なので、終わってから李先生に「ビギナーには熊形のほうがいいのではないかと思いますが、どう思われますか?」と聞いてみた。そしたら、李先生は「熊形は、前のめりになりやすいので、まずは体の中心軸をまっすぐ立て、中正を意識するために龍形のほうがよい」とおっしゃった。

年に二回一カ月半ほど滞在して教えられた頃と、今のように毎月教えられる状況では、教え方が異なるのかもしれないし、あるいは李先生の考え方自体変わったのかもしれない。僕の頃の教えられ方が日本バージョンだった可能性もある。

いずれにせよ、現在は「まず中正」が至上命題のようだ。僕も、それを意識しよう。それと、中正のまま、できるだけ中心軸を捩じること。

今月、次回の体験教室は、12日(土)の午後4時~5時半に文京スポーツセンター剣道場で行われる。できるだけ参加してみよう。

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