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夏目房之介の「で?」

山田せつ子さんとのトーク終了

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昨夜、日暮里サニーホールで山田さんと久しぶりにお会いして、ほぼノーアイデアで(って、いつものことだが)お話を始め、じつに楽しい90分を過ごした。

まず昨年の「からだの文化」での出会いと、その折の山田さんの指導の面白さ、そこでパフォーマンスしたときの感想などをお話しし、馬貴八卦掌の話、書の話、マンガの話、部分と全体の話などなど、例によって当たるをさいわいに話し倒して、「笑い」もとって(どうしてもコレやらないと話した気がしないんだよな)じつに楽しいトークになった。

昨年のフリーなパフォーマンスでは、自然と八卦掌の動きがベースになり、同時にそれがバラけて、観ている人に向かってゆく感じが自分ではとても面白かったのだが、そういえば書の練習をしていたとき、古川さんがよく「暴れる」という表現をしていたのと通じるな、と思ったり。また、30分ほど会場と質疑したのだが、なぜか武術関係の方の質問が多かった。

昔、一緒に八卦掌を習っていたMさんが偶然いらして、トーク後に山田さんまじえ、6人くらいでそば屋に流れ、そこでも話が盛り上がり、結局11時頃まで。こんな仕事だったら、いくらでもやりたいなあ。「マンガ夜話」の話が出て、いしかわじゅんのことを話したら、山田さんはお知り合いだった。

トークの中で、「部分は存在するが、常に全体と同時にあり、とくに中心とつながっている」というお話を、八卦掌の動きを交えて話したら、山田さんは興味をもたれてメモされてた。李先生のいつも話されることを、僕なりに要約したのだが、この原理は書にも通じる。

あと、模写マンガ批評時代の、アトムの手の描き方の変化と、線にかかる圧の違いを、ホワイトボードに描いて説明したのも、山田さんにはすごく面白かったようで、「ダンスも同じです」とおっしゃっていた。

「からだの文化2」と、『書って何だろう?』(二玄社)の宣伝もさせていただきました。なかなか刺激的なトークでした。ありがとうございました。

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