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夏目房之介の「で?」

『ドラゴン桜』

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こんどの11日、土曜に明大で『ドラゴン桜』の三田紀房氏の特別講演会がある。
いったいなぜ? と思ったら明大出身なのだね。

http://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2011/6t5h7p0000005aeg.html

僕も行こうと思っているので、今『ドラゴン桜』などを読んでいる。じつは、読めば面白いだろうことはわかっていたが、絵がちょいと苦手でちゃんと読んでいなかったのだね。で、結果けっこうハマっておるわけです。いやあ、これ、ホントに役に立つかも。いや、今から東大受けようなんて気は絶対的否定完了形(?)でないのはもちろんなのだが、色々応用可能って意味で。
そんなわけで、ゼミでも論文書こうとしてる学生に『ドラゴン桜』3巻を、就職を考えてる学生に『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』1巻を薦めたりして、呆れられてたりしている。でも、学生を教えるのになかなかヒントになる箇所がけっこうあるなあ。講演までに全部は読めないだろうが。

それにしても、こんなにリクツばっかりの対話の展開を、よくここまで強力に読者ひっぱるマンガにできるなあ。青木雄二や福本伸行に近い感じだけど、もっとロジカル。感情の強さで押し切る側面は意外と少ない。絵に惹かれる部分はそれほどなく、むしろ展開を追うことに集中できるようになっていて、ものすごい速さで読んでいってしまう。ただ、しばしばほぼ無意味に見える風景や人物棒立ちのコマがいくつか続いたり、対話の途中に挟まったりする。これで、ようやく一息つけるようになっているわけだね。場面を切り替えたり、変化を出すのに苦労してるんだろうね。あと、国語の芥川そっくりの先生のあとに、理科のアインシュタインそっくり先生が出てきたときにはウケました(笑)。ちょっと今マイブーム中。

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