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夏目房之介の「で?」

二玄社『書って何だろう?』もうすぐ刊行

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石川九楊編の叢書『書の宇宙』に連載した「筆線の狩人」をまとめた『書って何だろう?』(二玄社 税込2100円 カラー)の献本が届きました。月内には書店に並ぶのではないかと。

何せ、まだ筆もったことのないド素人が無理やり書論を試みるという本なので、マンガやカラオケやジャズを引っ張り出して比較したり、四苦八苦して書いている。石鼓文を杉浦茂と比較し、木簡をカラオケに、懐素や張旭の草書をジャズに、色紙の和歌や本阿弥光悦の屏風を少女マンガに比し、明代の条幅を論ずるのにSマクラウド『マンガ学』の視覚伝達の三角形理論を援用したりと、もう大変。ただ、連載後に趣味で書を始め、連載中とはかなり感じ方も変わってしまったので、そのことは最後にまとめて注釈した。書の専門家ではない人間が書を見るとどうなるか、という入門書のようなものだろうか。

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