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夏目房之介の「で?」

小学館忘年会

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ちょっと早く会場についてしまい、誰も知り合いがいない。
そのうち、ものすごい数の若い人達があふれ、食べ物の前には長蛇の列。えんえんと並んでものを食べるのは嫌いなので、結局ほとんど食べなかった。来る前にローストビーフサンドとクラムチャウダーを食べといてよかった。

何だかかんだで、いろんな人に会った。
石坂啓さんがいたのでご挨拶したら、横に浜田ブリトニーさんがいた。ブリちゃんの話はものすごく面白くて、しばし歓談。例によってハデなキャリーバッグを引いている。帝国ホテルなのに預ける気はないらしい。「腹ぺこっすよー」とかいっていたので、その後食べられたのかちょっと心配。ブリちゃんの絵は一体どんなマンガ体験から生まれたのか、前から不思議だったので聞いてみた。「オールド系ばっか読んでたんす。神は藤子不二雄A先生なんですよお。ジブン、『まんが道』読んでマンガ描こうと思ったんで。あと、さいとう・たかを先生の『サバイバル』、文庫で読んで・・・・え、シブいっすかあ?(笑) 絵で好きなのは、福本伸行先生っす。何か、顔とかありえないですよねー」とのことであった。面白かった。
ちなみに、彼女は池袋、新宿、渋谷、新橋などのロッカーをクローゼットとして使って、ネットカフェを家にしているというのだが、ロッカー代が1日2400円とかいってたから、それ、どっか泊まれるじゃんといったら「そうなんすけど、今時間ないんすよー」といってた。でも、もはやTVでキャラ化されてるから、当分はそのままなのかもね。石坂さんは、可哀相だからウチにひきとりたいみたいなことをいわれてたけど、ビミョーかも(笑
ブリちゃんはTVでの話しっぷりではなく、もっとフツーであった。彼女自身、キャラを自覚して演じてるんだろうな。会って話すと、人をそらさない面白さがあるね。それと、かなり痩せて可愛くなってた。つか、TVのメイクは相当過激にしてるみたいだったなー。

弘兼憲史さんや松本零士さん、萩尾望都さん、ささやななえさん、手塚眞さん、手塚プロ社長の松谷さん、中野晴行さん、えーと、いろんな方とご挨拶。ダイナミックプロの幸森(コイウモリ)さんと会い、大学で教えていると聞いてびっくり。最近は、昔からの知り合いがみんな大学でセンセになっている。

諏訪緑さんの『諸葛孔明 時の地平線』文庫版の編集さんが、諏訪さんが僕の解説を大変喜んでいらしたと教えてくれた。ほんとなら僕も嬉しい。もっと書けることがあったなあ、と少し申し訳ない気になっていたので・・・・。

あと、山岸凉子さんをリフトアップした某編集者が、持ち上げ方が悪くて山岸さんの肋骨を折ってしまったという話を聞く。バレエを習っているといはいえ、リフトアップなんか、素人にやらせるのかなあ。フツーできないでしょ、そんなこと。まあ大事ではないようだったので、笑い話だったけど。

そうそう。こんどの夜話の『青い花』でゲストにこられる村井美樹さんともご挨拶した。ゲストに優しくない番組なので、どんどんいっちゃってください、とお伝えしたら、すでにそういう話は聞いているみたい。好きな登場人物は「先輩」とおっしゃっていたが、村井さんも演劇部だったとかで、男性役をやられていたという。なるほど、何となくそんな感じの方であった。

ちょっと名前失念したが、欧州でマンガを翻訳している知人に、今の欧州はどう?と聞いたら「悪くないです」といっていた。彼から集英社がフランスの会社を買って、独自に、直接ジャプ系の出版をはじめようとしているという話を聞いた。欧州VIZとも関係しつつ、ということらしい。日本、米国、欧州それぞれ流通構造も違うが、そのへんはまだ、あまりよくわかっていないでやっているような話をしていた。VIZも、スタッフのほとんどが日本人と米国人だと不満そうだった。ただし、これはあくまで伝聞なので、話半分に聞いておいたほうがいいかな。
こうした現地との齟齬は昔からだが、日本側で直接ハンドリングしようとする動きは、今後も進むだろうと思う。僕が欧州で見聞きした状況とは、だいぶ変わってきつつあるんだろうね。

追伸

上の件、鵜野さんから、報道情報が寄せられました。
ありがとうございます。

http://animeanime.jp/news/archives/2009/08/post_899.html
http://www.shopro.co.jp/news/090828/index.html

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