村上たかし『星守る犬』(双葉社)
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だいぶ前に送ってもらった本をようやく読んだ。
いいです。泣きました。
『ナマケモノが見てた』の村上たかしなんだけど、とてもいい話だった。
ごくふつーのオヤジの家に、幼い娘が拾ってきた犬が語り手で、オヤジは家では無口で、娘のことも妻に任せっぱなしの父親。でも、犬にとってはすごくいいオヤジで、優しい。そんな彼が、彼にとっては突然だろう妻の離婚届けに会い、家を売り、娘も失って、犬だけ連れて車で出奔しやがて・・・・。
とても切なく悲しい話だが、読後感がいい。彼のレクイエムのように描かれる後半の話も、しみじみとする。何か『おくりびと』みたいな感じの掌編です。おすすめします。
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