文化放送と手塚賞受賞イベント
文化放送、大竹まことさんの番組、楽しかったです。大竹さんは思ったとおりの人で、楽しくて話がとまらず、うっかり自分の本の話をしないで終わるところだった。でも、大竹さんが僕の本から吉本隆明の大好きな言葉を選んで読んでくれて、嬉しかったなあ。
仕事部屋に帰って雑務をして、ふと気づいたら6時から手塚治虫文化賞の授賞式とイベントがあったじゃないの! 慌ててタクシーに乗り、永井豪さんのお話の途中からもぐりこんだ。
今回の受賞は大賞に、よしながふみ『大奥』、辰巳ヨシヒロ『劇画漂流』のダブル受賞。新生賞に丸尾末広『パノラマ島奇譚』、短編賞に中村光『聖☆おにいさん』。どれも好きな作品だし、とくに辰巳さんと丸尾さんの受賞は嬉しい。よしながさん、中村さんは、その力でいえば、今後も何らか賞を取るだろうし、今でなくても、というのはあるけど、辰巳さん、丸尾さんに関してはタイミングとして凄くよかった気がする。
http://www.asahi.com/shimbun/award/tezuka/
イベントは、よしながさんと三浦しをんさんのトーク、呉智英さんと中野晴行さんのトーク。その後、懇親会があったが、規模縮小で僕は招待されてなかった。でも、何となく入れてもらえて、ようやくよしながさんにご挨拶できた。辰巳さん、中村さんにも、初対面だけどご挨拶できて、とくに辰巳さんからは僕がブログで最初に書いたのがいい影響を与えたといわれ、凄く嬉しかった。ぜひ続編をお願いしますとお話したら、書いてくださるとのことだったので、余計である。楽しみだなー。あと「モーニング2」編集長と歓談した。面白かったのは、最近ネットで作品を無料公開を始めた効果の話。http://kc.kodansha.co.jp/magazine/index.php/22226
社内からは「本誌の売り上げが落ちる」と反撥され、次に国際部から海賊されると反撥をくらったが、やってみたら本誌の売り上げは上がったのだそうだ。また海外からのアクセスも多いという。凄く示唆の多い話だと思う。
そのあと流れで印口崇とともに、まずよしながさんのパーティと次に辰巳さん、丸尾さんの合同パーティをハシゴ。よしながさんのパーティは女性の多いはなやかな場で、『大奥』仕様の徳川葵紋入り豪華フルーツケーキが登場。くぅをのモンドコロが目に入らぬくわぁ~!
会場では、何と上野千鶴子さんから声をかけていただき、お話を。以前、藤本さんのムチャぶりで短い原稿を上野さん編著に書かせていただいたことがあったのだ。初対面だが、最近上野さんの参加している編著に瓜生吉則氏が書いた文章のことなど楽しくお話した。さらに太田出版「エロティックF」の編集さんからオノ・ナツメさんを紹介していただいた。わーい。好きな作家さんに会えると、ただのミーハーなのである。
それやこれや帰りたくなかっかたけど、移動した。
辰巳さん・丸尾さんパーティは、うってかわって濃い雰囲気の中、高信太郎さんが例によってマイクを離さず、ずーーーと誰かをつかまえてはスピーチさせていた。高取英はいつものごとく大学で教えているマンガ家志望の女子大生を連れてきており、いつものごとく一体何を教えてるんだ、という話になる。いしかわじゅんさん、村上さん、呉さん、みなもと太郎先生、唐沢なをき夫妻、内記稔夫さん、えーと・・・・例によって例のごとく、いろんな人に会う。あ、そうそう、青林工藝舎の浅川さんと結婚されたベアトリスさんがかわいい息子さんと一緒にこられていて、ひさしぶりに再会した。そうか、懇親会で元気に走り回っていたのは彼だったんだね。
「コミックビーム」編集長氏にもえらいひさしぶりにお会いしたが、すでに相当飲まれていて、丸尾さんの受賞をわが事のように喜ばれて饒舌に語られたのが印象的だったな。「ビーム」でも、丸尾さんの作品をそのまま載せるのは社内から反撥があったが、朝日の賞の受賞ということでOKな雰囲気になるのだという。また、おカミの取り締まりも、何となくゲージュツ扱いになったりするのだと、受賞効果を語っていた。なるほど、現場的にはそうなんだろうね。
丸尾さんは、スピーチで「じつはやる気をなくしかけていたのだが、これでまた少し頑張ろうと思える」というようなことをおっしゃっていて、本当にいいタイミングでの受賞だったと思わせた。
規模縮小で朝日社内での盛り上がりは今イチだったが、二つのパーティをかけもちして、やっぱり人が喜んでいる場所っていいな、と思う。ポジティブなエネルギーに満ちていて、こちらも前向きになれる。両方に、マンガ史研でおなじみのメンバーがたくさんいて、本当ならどっかで合流して「誰と何を話した」話をしたかったけど、すでに時間は11時を回り、まだ新宿で飲む気満々の高取氏の誘いを後に、いしかわ氏と東銀座から有楽町まで歩いて山手線で帰宅したのであった。楽しい一日だったなー。