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夏目房之介の「で?」

TV『20世紀少年』第一章

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・・・・を観てたら、NHKで手塚さんの特集をやってたらしい。知らなかったよー。

『20世紀少年』は、まあ「マンガ原作の映画として」うまくでできてるな、という印象。原作を知っている人を裏切らないように作られているみたいで、違和感はあまりなかった。むしろ既視感のように「そうそう、こんな話だったよね」という「これまでのお話」みたいな感じで観た。この「第一章」までは原作もまとまりがいいしね。第三章でどれだけ映画としての工夫があるか、映画としてうまくまとめられるかが課題じゃないのかな、と思った。浦沢・長崎作品の問題は、連載を引っ張りすぎて、通して読むと終わりのほうでヨレてくるっていうところなんだよね。毎回の「引き」と読者の予測を裏切ろうとする工夫を重視するための問題なのかもしれないけど、連載で追っているとダレちゃうとこもある。じつは僕も、最後のほうはちゃんと読んでなくて、飛ばして最終巻だけ読んだのだった。映画を全部観てから、全巻通して読み直す、ってのも面白いかもしれない。しかし、マンガ~映画の戦略としてはうまいよね。

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