オルタナティブ・ブログ > 夏目房之介の「で?」 >

夏目房之介の「で?」

彦根講演「平凡寺と「我楽他宗」」(4)

»

46 写真4 平凡寺の勇姿 ローラースケート姿    

写真5 浴衣姿         写真6 書斎にて

次の右上は有名な写真で、植木等の大先輩といういでたちですね。まだ日本に入ってきたばかりのローラースケートをはいてます。なにしろ新しいもん好きな人ですから、ローラースケートを履いて颯爽としている。多分自分の写真館だと思います。後ろは写真館の絵でしょうね。大正3年826日撮影とありますからだいぶ若いですね。僕の聞いた話では、ローラースケートに凝ってしまい、自宅の二階をローラースケート場にしてしまった。ローラースケートを木造の二階でやったらうるさいでしょ。でも、本人は耳が聞こえないんだから、、いいんですよ。その辺が奇人変人の迷惑な所ですね。本人は平気で楽しくやっている。

左のは浴衣を着てる。若い頃だと思います。なにがビックリしたかって、この写真が出てきた時にたまたま僕の長男が、まだ若い頃一緒にいたんですが、みんなでギョッとした。その頃の長男にそっくりだったんです。僕の顔の骨格は、どちらかと言うとわりと四角い、えらの張った夏目家系の顔なんです。長男には三田系の顔が行ったらしいんですね。三田家の血恐るべしという、結構血の力が強いんでしょうか。耳なんかも、うちの長男次男は似たのかもしれません。今は長男も太っちゃってあんまり面影無いんですけれど。

下の写真、なんかこういう部屋でいろいろやっていたようです。何が垂れているのかよく分らないんですが、とにかくこの人、絵も字もめちゃくちゃうまい。癖はありますけど。絵は有名な小林清親に習っていますし、僕なんかよりはるかにうまい。あと狂歌もやる、易も詳しい、家相をみる。なまじみるから変な家を作っちゃったんですね(笑)。こういう風な所に住んでたらしい。

Comment(0)