括約筋

木曜日、いつものように自主練習にゆく。
このところ仕事が忙しくてこなかったイワトがきて、こないだの講習会で習ったスジを鍛える易筋運動をやろうといいだし、みんなで輪になって少しやった。これは、見た目何の変哲もない動きで、我々の習っている体を作ってやらなければ多分何十回でもできるような動きなのだが、ナゼか我々にはものすごぉ～～～～くしんどい。数回やっただけでぜーぜーはーはしてしまう。

さて、その夜。寝る前に、お湯をわかすのがめんどうだったので冷蔵庫のお茶を飲み、眠りに入った。当然、体が緩む。もちろん、肛門も緩む。
と、肛門周辺に異様な痛みが走った。
「？」
何がおきたのかと思った。

痛みは、肛門に力を入れると消えるのだが、寝ようと思って緩むと痛い。そのうち、痛みは肛門周辺を律儀に回って、尿道周辺、すなわち男性器の奥に移り、８の字形に移動し始めた。
「？？？」
猛烈な痛みではないものの、寝てられなくなって、しかたなくトイレに入った。が、尿道をなかなか緩めることができずおしっこを出すまでに時間がかかってしまう。何だ、こりゃ？
一瞬、朦朧とした頭に「ヘンな病気にかかったんだろうか？」というコワ～イ思いがかけめぐったが、どう考えても、これは筋肉痛のようだ。
そのとき、パッ！と記憶が蘇った。
キミさんが、以前「ちんちんと肛門のあいだの筋肉がツッたことがある」といっていたのだ。どうしてそんなとこがツルんだ、と笑ったのだが、コレがそれか！？
そう。あきらかに痛みは肛門括約筋の、肛門と尿道を巡る８の字の形で走るのだ。おそらく、練習で肛門を締めて（提肛）上げながら負荷をかけ、寝る前に急に冷やしたのだと思う。

括約筋がツッたんである。
驚いた。

その後、ウォシュレットで温めたせいか、何事もなく眠れた。
翌日、キミさんにその話をすると「ほらぁ！あるだろ！」と鬼の首をとったように騒ぐ。たしかに、あんまり経験することではない。そもそも、僕はほとんどツルという経験がない人なので、わからなかった。
「括約筋が８の字形だって知識はあったけど、形までわかちゃったんだよ」というと、
「そう、そうっ！」とキミさんが激しく同意する。

金曜日、３ヶ月前に自転車ごと倒れて以来おかしかった左足股関節及びヒザのこともあったので、ひさしぶりにエドワード鍼灸院にゆく。エドにその話をすると、さすがのブリティッシュ鍼灸師も「聞いたことがない」といっていた。
「いいねぇ、そんなこと経験できて」とエド。
よかぁねぇよ。でも、エッグのカウンターでも受けたので、書いてみました。
括約筋、ツルんだ！