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夏目房之介の「で?」

惜しかった!! K-1MAX

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いやー、たくさん書いたのに、うっかり消しちゃった。

でも、マサトは惜しかった。あのブアカーオから(僕にはスリップに見えたけど)一度はKOを奪い、1~2Rは相当ローキックを受けてダメージ蓄積しながらも、3R、ほぼ試合を自分のペースにしてアッパーは入った。差は大きくないとはいえ、文句ない判定勝ちだった。
多分、今の日本でここまで出来るのは、やはりマサトだったと思う。技術、体力、経験のバランスで、今が多分最大じゃないだろうか。
だからこそ、ブアカーオと最初に当たることを選んだんだろうけど、逆に言えば最後では無理だっていうことだったかもしれない。また、最初にブアカーオを倒すしか優勝の目はない、としても、勝ったら勝ったで、ほかの連中もブアカーオを当たらなくてすむわけで、そのへんのバランスは当日の偶然に左右されてしまう。それがワンデイ・トーナメントの面白さでもあるけど。
佐藤は、もしインタビューでいってたように、

本気でマサトと実力差がないと思っているとしたら、やはり「世界」っていうのが技術だけの問題じゃないっていうのが、まだわかってないようにも見える。実力と偶然のあいだのハリの穴みたいなスキマを通って優勝までいくのって、もう技術だけじゃ全然だめだし、体力だけでもないし、そういうのをマサトは経験で知ってるんじゃないのかな。観客の無責任な言い草といえば、そうだけども。
準決勝、キシェンコをKOしたマサトも見事だったけど、やはりローをかなり受けてた。試合後、足をひきずっていたしね。クラウスに競り勝ったサワーとの決勝、一気に勝負をつけようとしたのは、おそらくはそれしか可能性がないほどダメージを受けていたんだろう。1Rの終わり、サワーが手を上げたのはもう確実な手ごたえがあったからだろうし、マサトはじっさい立てなくなった。あのままやってても、KOされたろう。

ほかの試合も見ごたえのあるスリリングな激闘で、全体とても面白かったんだけど、あそこまで出来上がったマサトでも手が届かなかったとなると、ワンデイ・トーナメントは日本人にはやっぱり無理かも、と思ってしまう。これからマサトがどうするかが気になるなー。
佐藤はまだ差があるように見えるし、ヒロヤは凄くいいけど、まだ時間かかるしなー。かといって、マサトをあれ以上にするのは、ちょっと無理なんじゃ・・・・と思ってしまう。それほど、良かったんだよね、今日のは。惜しかった!

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