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夏目房之介の「で?」

『デスペラード』

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日曜洋画劇場で『レジェンド オブ メキシコ デスペラード』(ロバート・ロドリゲス脚本監督 03年)てのやってて、意外に面白かったのだった。
なかばは、どんどん人の死ぬお軽い活劇アクションで、とりあえず見所はそれぞれのアクションシーンの工夫やかっこよさ。死なない人物は絶対死なない。とはいえ、まるきり「お笑い」な感じではなく、かなり込み入った陰謀劇と陰惨な事態もあって、それを裏であやつっている(ように見える)のがジョニー・デップ演じるCIA工作員。
主人公は

一応アントニオ・バンデラスの超人的なヒーロー・ガンマン。ウィレム・デフォー(『スパイダーマン2』の悪役だよね? 『プラトゥーン』にも出てたっけ)演じる犯罪組織のボス、そこに身を寄せる悪人ミッキー・ローク、デフォーに同僚を殺されたやや地味めな元FBIの役者など、それぞれの位置でそれぞれがいい。
でも、どう見てもいちばんオイシイのは、嬉しそうにヘンな工作員を演じているジョニー・デップ。片腕のフェイクを机において、下からほんものの腕で拳銃構えてるなんていうマガイ物っぽさは、たまらなくジョニー・デップだよなー。
タランティーノ『KILL BILL』風の娯楽架空世界の何でもありと、それが間接的に(多分)示そうとする何かシリアスなものが、ある種の「軽さ」で結びついているみたいなポップな感じ。とくに途中まですべてを回していたジョニー・デップが、最後に両目をつぶされたまま事態を見守る(?)ことになるのは、かなりの皮肉に見えたけど。
いずれにせよ、娯楽映画として映像的にも面白かった。好きだな、こういうの。

でも、ジョニー・デップってほんとに自分に合った脚本選んでるよなー。そういえば『シザー・ハンズ』から好きだったもんなー、俺。『エルム街の悪夢』でデビューしてるんだなー。あれも好きだったから趣味が合うってことか(笑

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