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夏目房之介の「で?」

『ドリーム・ガールズ』!

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この週末は映画三昧。

まず『ドリーム・ガールズ』。
娯楽作品として「傑作」かも。R&B、モータウン好きなら観るべし。そじゃなくても楽しめる。こりゃ、アカデミーとるわな。カットが早くてあきさせないが、ひとつひとつの絵がきちんと撮ってある。もとミュージカルだそうだけど、音楽もいい。終始のりのり。・・・・なだけでなく、ソウルフルな曲が、白人風にキレイになったり、商業的に売れる路線になったり、編曲編成で変わるのが直接「音」でわかるってのがね、すごいですよ。モータウンって、そういう過渡期のレーベルだったんかな、と思いましたです。いや、昔の曲は使ってないんだけどもさ。
ともあれ、あたしとしては大おすすめの映画です!
エフィというアカデミーとった役の女優の歌は、もうね、拍手したかったけど、何しろカットがぱっと次の場面展開につながるんで、できなかった。エディ・マーフィの歌のうまさにも脱帽。TV番組でJ・Bのモノマネしてたっていうけど、本格的に聴かせる。いや、参りました。
モータウンの発展とR&Bの商業的成功とソウル音楽の変質、黒人にとっての「成功」「上昇」と「ソウル」「ファミリー」の意味が、たぶん背景になっている。マーティン・ルーサー・キングや公民権運動や黒人暴動がニュースなどで挿入され、たぶんマーヴィン・ゲイかなと思ってた登場人物(C・C)に誰かが「ワッツ・ゴーイン・オン?」って聞いたので、「あ、やっぱり!」と思ったんだけど、プログラムによると、別の人がモデルだろうって書いてあった。そうなのかな。
女性コーラスの一人、

ソウルを象徴するエフィという歌手のわがままさ、傲慢さが、やがて商業主義に毒された黒人やその音楽に対置される構図が興味深かった。。「ソウル」とか「黒人らしさ」っていうもの(アイデンティティ)を巡る枠組って、こういうふうなもんなのかな、と思う。ビヨンセはたしかにキレイだけど、映画としては彼女よりもエフィ役のジェニファー・ハドソンとエディ・マーフィのものだな。
余談ながら、モータウンとR&Bの60~70年代の商業的成功と変質って、大衆文化の発展と支持層の変容とかってことで、僕なんぞは同時期の日本のマンガや若者音楽を想起してしまいますな。劇画って、そういう意味ではソウルフルだったんだろうかとか。

レンタルで観たのは以下。

『ダ・ヴィンチ・コード』
面白かった。けど、キリストが人間でマグダラのマリアが奥さんだと、そんなに困るのかな、ってとこが日本人としての僕の率直な感想で、う~む、その分リアリティが薄いかもね。映像は劇場でみるもんだったな。

『マックス!!!鳥人死闘篇』
アクションを楽しむ映画で、たしかにスタント・アクションは楽しめる。とくに最後の集団アクションは圧巻。だけど、最後までよく話がわからなかった(笑)。もっと『TAXI』みたいな楽しいお笑い映画にしてくれたら好みだったんだけどな。

TVで観たのは以下。

『デープ・インパクト』
『アルマゲドン』『インディペンデンス・デイ』とか、このてのパニック映画は色々観てたんで、観たのかどうかも忘れてた。けど、観てなかった。けっこうシリアスな作りで、何か大昔の『渚にて』なんて思い出しました。でも、ハリウッドの映画だと、米国が全世界で、大統領が世界の王なのね、ってちょっとチャチャ入れたくなるとこはあったな。まずまずの娯楽作で、世界が終わることになったらどうするか、っていうシリアスな印象はそれなりにあります。最近、大地震ものマンガもふえてて、またぞろ終末気分なんでしょうか。

『エネミー・ライン』
セルビアでの戦争にNATOとして参加した米空母の戦闘機乗りと米軍提督の、すごく身勝手な話。一人の兵士が危険空域に入り、撃墜され(相棒は殺される)、彼一人のためにNATO司令(すげー悪者に描かれてる)を無視して救出作戦を行い、ヘリで敵を殺しまくる。こういうのみると、ほんとにアメリカって手前のことしか考えてねえなって、つい不愉快になるね。アメリカ人一人の命は、それ以外の人種何百人の命と等しいくらいの感覚なんだろうかね。いやま、娯楽ってそんなもんだったりするんだけどもね。それわかっててもなぁ・・・。こら、ええ加減にせえよ・・・・とか思いつつ、最後まで観てしまったのだった(笑)。

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