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夏目房之介の「で?」

『最強伝説黒沢』完結

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漫棚通信ブログ版で、福本伸行『最強伝説黒沢』が10,11巻同時発売で完結を伝え、評を書かれてます。ネタバレを心配されてますが、11巻の帯にでかでかと「黒沢、死す・・・・!?」ってあって・・・・どうなんだろ?(笑)
たしかに、漫棚さんも書かれたように、この唐突な畳み方はどうなの?ってのはあるけど、とりあえず好きな作品だったので、ヨカッタのではないかと・・・・。
あとは漫棚さんと、そう違うことを書くべきものもないんですが、ひとつだけいうと、この黒沢の死に際、全然「あの世」的なるものが出てこない。「歩いてゆく黒沢の向こうにまばゆい光・・・・」とか、そゆーの一切なし。
そもそも黒沢の妄想のしつこさが売りだったので、これは急いで畳んだんだろってことだし、事実、暴走族との対決で使うはずだった秘密兵器も二つも使わずに闘い終えてしまっている。
そんな慌しい終結なんだけど、「あの世」出てこない。多分、この作者にとって死んだら死にきりの「無」じゃん、ってことなんだろうな、と思って読みました。昨今の「来世」「生まれ変わり」願望とは全然違う。さすが黒沢。
てことはマンガ的な「じつは生きてました」もない、ってことでしょうかね。黒沢だったら、別に「じつは」でもいいけど、俺は(笑)。

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