夏目房之介の「で?」

『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』サントリー学芸賞!

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 宮本大人氏「みやもメモ」で知ったんですが「サントリー学芸賞」(芸術・文化部門)なるものを、あの竹内一郎『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』(講談社)がとっちゃったらしいです。驚いたなぁ。サントリー学芸賞って、そんなレベルだったんだ。しかも伊藤剛『テヅカ イズ デッド』(NTT出版)をおさえてってことでしょ。しょうもな。
 〈社会・風俗〉部門の

マイク・モラスキー『戦後日本のジャズ文化 ―― 映画・文学・アングラ』(青土社) は、個人的にイイと思うよ。面白かったし、学術的配慮もしてあった。でもさ、『手塚~起源』は、もう笑うしかないじゃん。ほとんどページごとに突っ込みどころがある本じゃん。いやはや。宮本氏ならずとも「コラコラ」っていいたくなるよなぁ。

〈選考委員はこの著作を今までこの部門では受賞作のなかった後発の分野の著作として、甘く採点していたのではないかという疑念を抱かざるを得ないのです。〉(みやもメモ)

 そうなんだろうな。無意識の「善意」すら漂う「あなどり」だよ。
 マンガ研究を巡る状況は、そろそろこういう落差を「ちゃんとせーよ」って形で露出させ始めたんじゃないかな。とりあえず、驚いたよ、正直。

第28回 サントリー学芸賞の決定http://www.suntory.co.jp/news/2006/9630.html

Comment(11)

コメント

じゃあ、夏目漫画大賞を作りましょう!

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シンプルに「夏目賞」!

あびにゃーこ

最近、昔のマンガにハマってます。手塚治虫ってほんとカリスマなんですね〜。
ところで関係ないんですが、ちばてつやってどれくらいの位置づけになるんでしょうか。
mixiで自分の日記に今日書いたんですが、いまさらになって「あしたのジョー」にハマってます。ネットでいろいろ検索したら夏目さんのお名前がよく出てくるので、なんだか嬉しいです☆

長谷邦夫

いやはや。なんとも。これまた。ドーショモ。
かつての壽屋「洋酒天国」が泣きますな。
マンガ関係者はサントリーを飲まないとかに!?

お世話になっている漫画学徒

漫画関係者にとってもそうでしょうけど、
他分野だって専門家にとってはショーモナイ
ものばかりですよ。(これは昔から評判だったはず。)
その分野に精通していないとその辺の感覚は
わからないと思います。今回みなさんは
かなり判断能力のあるところの作品が受賞したので
わかったというだけであって、今年のに限っても
軒並み笑いが出るようなラインナップです。

でもわからない人にはわからないでしょ?
だから『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』
だってわからん人にとっては
>個人的にイイと思うよ。面白かったし、学術的配慮もしてあった。
ってなっても一向に不思議ないです。

もちろんほめられたことではないので
しっかり言うことは大切ですが、
お約束化しているものはなかなか変えられないでしょうね。
やはり自前で選考するしかないでしょう。

私の知る範囲で上のコメントの実例を挙げさせていただきます。
かつて1979年度、建築評論家である長谷川堯氏にサントリー学芸賞が贈られました。その後2003年度に、同じく建築評論家の飯島洋一氏に同賞が贈られたのですが、選評を読むと、1979年度の受賞が、すっかり忘れられているようでした。
参考として二つの選評のアドレスを以下に記します。
http://www.suntory.co.jp/sfnd/gakugei/gei_bun0003.html
http://www.suntory.co.jp/sfnd/gakugei/gei_bun0071.html
ちょっと調べれば分かる自らの賞についてもこうなのですから、他の文献については推して知るべしでしょう。
審査員には、それぞれ実績のある立派な方々が選ばれているのでしょうが、果たして審査するということにおいて適正があるかどうか、時として疑問を感じずにはいられません。

念のため誤解のないように申し上げますが、2003年度に飯島氏が受賞されたことに対して疑問があるわけではありません。

西尾

タイトルからしておかしい本でしたが読んでみるともっとひどい。
マンガばかり読んでいるとこんな人になるとか言われる原因になりかねない。
こういうことはやめてほしい。

メニッポス

具体的にどんなところがダメなのか分かりませんが……

とおりすがって

竹内一郎が賞に値しないほどダメであるかもしれないけど、一方で伊藤剛が賞に値するかどうかは関係がないよね。違うかな。

とおりすがって

竹内一郎が賞に値しないほどダメであるかもしれないけど、一方で伊藤剛が賞に値するかどうかは関係がないよね。違うかな。

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