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夏目房之介の「で?」

米沢嘉博氏逝去

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 今、マンガ研究者などの周辺でメール、ブログ、ミクシなど、情報が飛び交っている。
 僕も、本当にびっくりした。朝日のニュースによると、以下の通り。

〈1日午前4時40分、肺がんのため死去した。53歳だった。通夜は6日午後6時、葬儀は7日午後1時30分から東京都港区元麻布1の6の21の麻布山善福寺で。喪主は妻英子(えいこ)さん。連絡先は世田谷区代沢5の8の11の102のコミケット。[略]7月に入院、9月30日にコミケ代表の退任が発表されたばかりだった。〉

 いわずと知れたマンガ評論家。コミケ代表。はじめて会ったのがいつだったか、もう忘れた。研究者が知っておくべき基礎資料となる本を多く書き、巨大化するコミケをまとめ、まだマンガ批評なんかで喰っていけない時期から村上知彦や呉智英などとともに、マスコミの中に何とか道を作ってきた。功労者である。もちろん、色々いう人も多いかもしれないが、功労は功労で消すことはできない。
 でも、そんなことも、今は関係がない。米沢が逝ったのだ。それでじゅうぶんだし、それ以外何もいうべきことは本当はない。
 いつだったか、吾妻ひでおの原画展の帰りだったか。古本屋を見つけて、つい数人で入り込み、つい僕も何かを買ってしまったとき、振り返ると僕の何倍もの本を抱えてニコニコしながら困っている米沢氏がいた。本質的に情報もモノも収集家だったと思う。心よりご冥福を祈る。

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「9月11日に生まれて」(永山薫氏のブログ)

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