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夏目房之介の「で?」

ナポリタンはイタリアにない(へー!)

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 以前、イワト氏と一緒にした仕事で食い物についての体験をマンガ+文にした連載があり、スパゲティ・ナポリタンの発祥を取り上げたことがある。調査では行き着けず、我々の推理は「トマトケチャップとハムという発想はあきらかにアメちゃんであり、おそらくは

イタリア系兵士による米軍まかない食が占領期に日本に入ったのではないか」というものだった。当然、イタリアに「ナポリタン」は存在せず、戦前日本にも例がなかったからだ。
 今日「ランティエ」10月号をぱらぱらめくっていたらドンピシャの記事があった。「食彩のルポルタージュ」というページで、それによると、な、何と「戦後、横浜のホテルニューグランド2代目総料理長、入江茂忠氏が考案した日本生まれのメニュー」で「終戦直後、ホテルを接収した進駐軍」の軍用食を取り入れ、「トマトソースと和えたパスタがナポリの屋台で売られていたことにヒントを得て「ナポリタン」と命名した」んだそうである(170p)。なるほどねー、ニューグランドとはなー。何せ、マッカーサーが入ったとこだもんねー。
 ちなみに「ランティエ」の特集は「いま「満鉄」の面影を訪ねる」。あじあ号は10月にリニューアルオープンされる「瀋陽蒸気機関車博物館」に入るらしい。へー!

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