【ニュース】FacebookとAppleに不協和音!?消えたコネクトボタンの謎に迫る
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お世話になっております。
ループスの直人です。
Appleから米時間で9月2日深夜に一般公開された「iTunes 10」ですが、同時にリリースされた新しいソーシャルネットワーキングサービス「Ping」のFacebook連携機能が突然消えるというハプニングが起こりました。注目の機能だったにも関わらず、なぜ突然消えてしまったのでしょうか?Mashableの記事を元に複数のソースに掲載された情報をまとめました。
「Ping」から消えた機能は前日まで存在していた「Add friends via Faceook Connect(Facebookから友達を追加)」ボタンで、FacebookがAppleからのFacebook API接続をブロックしたことが原因となっている模様。通常、FacebookのAPIはFacebookアプリケーション開発者やGraph API利用者に広く公開されていますが、一定の条件を超えた場合はFacebookと個別の協定を結ぶ必要がある旨はFacebookの利用規約にも記載されています。iTunesユーザーは全世界1億6千万人いるといいますから、その半分がアクティブだとしてもFacebookアクティブユーザー数の6分の1程度、潜在的なボリュームとしては相当大きいことになります。
参考:Facebook開発者向け利用規約から抜粋
If you exceed, or plan to exceed, any of the following thresholds please contact us as you may be subject to additional terms: (>5M MAU) or (>100M API calls per day) or (>50M impressions per day).
→以下のしきい値を超える、または超える予定があれば個別に条件を協議したいから連絡して。
- 月間アクティブユーザー500万人
- 1日あたり1億回のAPI呼び出し
- 1日あたり5000万PV
All Things DigitalによるとAppleとFacebookの間で協議があったものの、まだ合意には至っておらず、そのためFacebookがAPI接続を切断するという結果になった模様。Appleは切断が発生してから後追いでFacebookとの連携機能が削除されたようです。All Things Digitalによると前日にサンフランシスコで行われたイベントで、AppleのCEOスティーブ・ジョブスがFacebookとの「難航している契約」について不満を漏らしていたという内容まで掲載されています。
※ユーザーは、Facebook接続が停止されている現在でも名前とメールアドレスによって友人の検索と追加ができますが、この際に使用されるメールアドレスがiTunesのアカウントであることから、Mashableの記者はセキュリティ上の懸念を指摘しています。
Facebookがこのような規制をかけたのはこれが初めてではなく、同じようなことが6月にTwitterがFacebook上の友人情報を自動的にフォローする機能を提供した際にもありました(Mashable6月23日記事参照)。その際はTwitterとFacebook側で交渉が成立し、問題が解決したようです。
これまでの両社の連携ではこのようなことはありませんでした。iTunes9にはFacebookを使って共有する機能がありますし、Viture社が開発したAppStoreファンページではApp Sotreと連携し、App Store内のアプリ検索や友達との共有機能などが提供されています(Mashable3月29日の記事参照)。
現在でも、(Facebookアプリとしての)PingはFacebook上で表示されており、連携が可能だった時間帯にコネクトした友達情報も残っているとのことです。Pingアプリのレビュー欄には「無計画だ」「開発中じゃねーか」のような微妙なコメントが並んでいます。
Mashableの記事では、結びに以下のように述べています。
「そのうちこの機能は復活するんじゃないか。だってあの機能便利だもん。多くの人々にとってFacebookのソーシャルグラフはデファクトスタンダードになっているし、それを使うことで友達を探すのがもっと簡単になるよね。」
Marketing3.0と呼ばれる次世代のマーケティング世界では個々の生活者にフォーカスした提案が必要になってくると聞いたことがあります。その際にFacebookのようなSNS事業者が保持するソーシャルグラフが大きな意味を持ってくるのは疑いようがありません(というか既にそのようになってきていますが・・・)。Facebookとしても、その大切な「虎の子」を他社に易々と "Pull" させるつもりはないようです。