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ライフワークとしての学びを考えます。

今なぜカフェ文化?それは「私のことを分かってくれている」から

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 最近、以前よりコーヒーを飲むようになりました。

「コーヒーなんて、どこに行っても同じで美味しくない。」

そう思っていた私に、最初にコーヒーの美味しさと楽しみ方を教えてくださったのが、銀座の三笠会館にあるイタリアンバール「LA VIOLA」です。

2年前くらいまで数年間、毎週土曜日に欠かさず通い続けました。
当時は土曜日に銀座で仕事があり、その前に立ち寄って心の準備をしていたのです。

イタリアのフィレンツェに行った時の歴史あるバールとほとんど同じような店内の雰囲気がよく、バリスタさんたちスタッフの心配りやシェフの腕前も一流で、いつまでもいたくなるような空間でした。
私は、バンコと言って、立ち飲みの席が気に入っていましたが、立っているにも関わらず平気で1時間くらい滞在してしまっていました。仕事がなければ半日くらいいたかもしれません。

あのスターバックスも、イタリアのバールを理想としており、やはり、カフェ文化の基盤になっているのは、イタリアではないかと思います。

今朝のNHKニュースで、今オーストラリアのカフェが、世界のカフェ文化をリードしているという特集を見ました。

オーストラリアでは、イタリア系移民の影響で、カフェ文化が花開きました。そして、牛乳を多く飲むことから、ミルクを使ったカプチーノやラテが主流なのです。
そのため、オーストラリアのカフェの特徴は、いかにミルクを仕上げるかにかかっています。
ミルクのクリーミーさや量などで、細やかな変化を作っていき、腕の良いバリスタが作ったミルクを使ったカフェは、カップをゆすっても中身がこぼれません。

最近では、世界各国からオーストラリアにバリスタ修行に出かける人が増えていると言います。
ある日本人女性は、「ホームステイしているときごく普通に出てくるコーヒーが美味しくて勉強に来ました」とミルクの泡立て方を熱心に学んでいました。

また、高校でも、高校生たちが早朝から先生たちのカフェを作っています。
高校生の中には「高校を卒業したらバリスタになりたい」という生徒もいます。バリスタはオーストラリアではあこがれの職業なのです。

高校生が、各先生たち一人一人の好みを把握し、ミルクを加減して、その先生が好きなカフェを作ります。「最高よ!私の好みを分かってくれている!」と幸せそうな満面の笑顔の先生たちが印象的でした。

そう、「私の好みを分かってくれている」。

この温かみがカフェ文化の基本ではないでしょうか。

コーヒー自体で味を加減することはできませんが、ミルクの量や質感ならお客様に合わせた「その人だけのカフェ」を作る事が出来ます。牛乳を多く飲むオーストラリアならではの強みを生かしたコーヒー文化ではないかと思えました。

あの銀座「LA VIOLA」で、冬の寒い日私が「あ〜寒い!」と言っていたら「いつもよりミルクを多めにしました」と出してきてくださったりして、本当に感激したことを覚えています。

今「サードウェイブコーヒー(第3の波コーヒー)」と呼ばれる新しいトレンドが出現しています。アメリカに一気に広まり日本にもブルーボトルコーヒーなどが進出してきました。
一般にはサードウェイブコーヒーとは、大量生産ではなく、豆の個性を引き出すような本格的グルメ・コーヒーです。

しかし私は、これからのカフェ文化とは、味はもちろんのこと、「私のことを分かってくれている」にあるような気がしてなりません。

ここに、真のお客様中心主義があると思えます。

一昨日発売された「戦略は一杯のコーヒーから学べ!」は、たった一杯のコーヒーから自分たちの強みは何か?、をさくらちゃんという新人と共に学んで、いつの間にか自分も自分の強み、会社の強みは何かを考えさせてくれる本でした。おすすめです。

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