ライフワークとしての音楽を考えていきます

腹式呼吸の勘違い 息をはくときお腹をへこましてはいけない

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昨年末、有り難いことに「DVD付リーダーは低い声で話せ」という本を出版させていただきました。
発声の基本であり、意外にほとんどの方が気がついていない、横隔膜により良い声を出すための本です。本日はさらに、本には書かれていない発声のコツをお伝えしたいと思います。


「息をすって〜お腹をふくらまして〜、はい、息をはいて〜お腹をへこませて〜」

これは、一般的な腹式呼吸のトレーニングです。

これは間違っていません。
腹式呼吸に慣れていない人が行うには分かりやすい方法です。
また、呼吸法としても正しい方法だと思います。

しかし、私はこの腹式呼吸のトレーニングをやったことがありません。
なぜなら、「お腹をへこまして〜」をやってしまうと、とたんに良い声が出なくなるからです。
これを、へこまさないで発声できるようになるだけで、難しいトレーニングをするより、とたんに良い声になります。

良い声を出している人のお腹を良くみると、大きくへこんだりしていません。常に、張った状態を維持しています。

ほとんどの人が勘違いしているのが、声を出すときにも腹式呼吸のトレーニングで教わったとおり「お腹をへこましても良い」と思われていることです。
そして、普通の人は、声を出しているとき、意識しなければお腹は、簡単に弛み、簡単にへこみます。

しかし、良い声のためには、息をすってお腹が張ったら、息をはいているときでもお腹が出来るだけへこまないように頑張って張り返す。
これが基本です。

なぜなら、良い声は横隔膜にしっかりお仕事をしていただく必要があります。
横隔膜が使えているときというのは、お腹を手でおしたとき、風船のようにパンと張り返してきます。
お腹を安易にへこましてしまうということは、横隔膜がしっかり使えていないという証拠になります。
私は、自分のトレーニングや、人前で話すとき、いつも横隔膜が使えているかどうか、ということ一点に意識を集中します。
声の質や高さ、内容、表現などにすぐ意識がいきそうになりますが、そこはグっと我慢してまずは横隔膜。ここがお留守になってしまうと、他のことをいくら頑張っても薄まってしまいます。

そんなこと言っても、お腹をどうやって張り返せばいいの?と思いますね。
簡単な方法があります。
お腹をへこまさないで呼吸するコツを覚えるための方法を、2段階でご紹介します。


【第一段階】

1、口を開けて「ハアッ!」と大きく思い切り限界まで息をすう。

2、口を開けた状態で10秒間、我慢して息を止める。

3、「ハアーッ!」と一瞬ですべての息をはききる。

★★★重要チェックポイント★★★

息をはくとき、のどで「kッ・・・」とか、「あ”っ・・・・」という雑音がしませんでしたか?
この場合は、喉で息を止めています。喉に負担をかけていて、横隔膜が使えていません。
横隔膜で頑張ることができれば、自然と喉はリラックスできるようになり、横隔膜が使えるようになっていきます。

(*普段、どうしても喉にストレスがかかってしまい声帯リラックスのできない方も、まずは横隔膜をつかって止められるかチェックしてくださいね)


【第二段階】

準備:肋骨の下あたりに手を当て、口を開けて、犬が夏暑い時に呼吸しているように「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ・・・」と呼吸する。お腹がペコペコ動いていますね?この場所で止めたいので、動いている場所をよく確認しておいてください。

1、もう一度、肋骨の下あたりに手を当て、口を開けて「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ・・・」と呼吸する。

2、1の途中で、「ハアッ!」と思い切り息を吸い、ペコペコ動いていた場所に意識を集中して息を止める。どちらかというと「その場所が手を張り返して頑張る」という感じ。逆に喉はダラリと楽にして。

3、10秒間我慢して止めたら、一気に「ハアーッ!」と息をはく。このとき、慣れないとお腹がへこみそうになりますが、出来るだけ前に張り出すように意識してみてください。

★★★重要チェックポイント★★★

息をはくとき、のどで「kッ・・・」とか、「あ”っ・・・・」という雑音がしなくなれば、とりあえずOK。
横隔膜で止められるようになっています。あとは、【第二段階】の練習を何回か継続し、犬の呼吸と連動させて、「ハアーッ!」と息をはくときに、お腹をバンと張り返すようになれること。

*ヒント:私が一番最初にこれをやったときは、他の人にへその下あたりを棒で軽く押してもらい、息をはくとき、その棒をお腹で押し返すようにしていました。最初は「ガクッ」とへこみましたが、数回やるうちに「横隔膜で頑張る」コツがつかめてきて出来るようになりました。

この意識が出来るようになると、どんなときでも横隔膜が助けてくれるようになります。

また、私は、普段はそんなに姿勢が良いとは思えないのですが、人前で話す時は横隔膜を張り返しますから、「姿勢が良いですね〜」とよく言われます。
しっかりと発声しながらお腹を張り替えすと、お腹がしゃんとして、姿勢も良くなりますから、自信にあふれて見えますよ。

多くの方々が、二つのことを勘違いしています。
腹式呼吸のトレーニングで覚えた、お腹をへこます動作をして発声しています。そして、横隔膜が使えていなくて、喉で頑張っています。

さらに横隔膜を鍛えて発声してみたい方は、1日5分のトレーニングで良い声が手に入る「DVD付リーダーは低い声で話せ」をご覧くだされば幸いです。

Comment(5)

コメント

kg

この記事を見て今までの腹式呼吸をなおしてお腹をへこませないように呼吸をしていたら体が正常に戻ってかすごい生活が楽になりましたありがとうございます!
さっそく質問なのですが、この呼吸をふだんの呼吸に取り入れたいと思ってるのですがもんだいありませんか?というのも以前お腹をかどにへこます腹式呼吸をふだんから2ヶ月くらいしていたら内臓が圧縮されてはいたり身体が歪んだりでひどいめにあったので...私にはこの呼吸はメリットしかないように思えるのですが少し心配なので質問させていただきます 
あともうひとつ ここでのお腹を張るというのはお腹に力を入れて意識的にはるのですか?それとも横隔膜に意識して自然なかんじに張るのですか?
もしよければ返答よろしくお願いします

kgさん
お腹をへこまさないように呼吸するのは慣れです。普段の生活では、おへその下9センチくらいの場所を力まず自然に張るようにしてください。横隔膜が使いやすくなります。この呼吸ができるようになると、呼吸が整って集中力が高まりますし、声も良くなります。詳しくは、今日のブログで書きましたので参考にしてみてくださいね。

めろんぱん

初めまして、偶然この記事を見つけました。
お腹を張ったままの呼吸法を習得中なのでとても勉強になりました。
そこで質問なのですがお腹を張ったまま息を吐いた後、息は当然吸いますがその時のお腹の状態はどうなるのでしょうか?
息を吸うにしても吐くにしてもずっとお腹は膨らんだままなのでしょうか?
ご返信いただけましたら幸いです。

naoka19

混声合唱団員、テノールです。限界はハイFで、第九で「A」が裏声でしか歌えないのが残念でした。
高音をだすため、イタリヤのベルカントを調べていて、丹田突き出し法を
知りました。でも、疲れる腰を少し踏ん張るようにしないとへこんでしまいます。
喉をとうり越すイメージで、頭の空間(仮想です)へ息を吐き出すと実音で2度
Fは軽くでます。

合唱団員です。少し前、高い声を出すため、ベルカント唱法を調べていて「丹田を突き出す」との記述を見つけ、最近実践しています。
これは「下腹を張る」と同義でしょうか?
以前、下腹を膨らませるよう指導を受けたことがあり、今となってようやく理解
できます。ただ正しい姿勢がわかりません、腰を落として踏ん張ってしまい、疲れてしまいます。疲れず、持続的にできる方法はありますか。
さらに安定して歌えるよう「下腹をはる」をぜひ実践してみたいと思います。

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