ピアノの搬入・搬出でもう懲りた
ピアノの搬入・搬出のとき、重さ500キロ以上のグランドピアノがクレーン車に吊り下げられて宙を舞う姿は、あまり見ていたくありません。でも、大型の楽器は仕方のないことかもしれません。
数年前、引越しでピアノを今の部屋に搬入したときは大騒ぎでした。
まず、搬出のとき、どうしてもドアを出られずに、運送屋さんが玄関口で力尽きてへたり込んでしまったのです。担当の方が経験が浅かったようです。しかも、部屋と玄関の間をピアノがふさいでいるので、出ることも入ることもできません。部屋が13階でしたのでクレーンは使えません。
「これはサイズが大き過ぎて無理です」とおっしゃるので、「入れることは出来たのですから、出すことはできるはずでは?」となんとか交渉しました。運送屋さんは、携帯で本社からベテランの方を応援に呼びました。本社は港区で、当時は、大和市に住んでいましたので、到着まで時間がかかります。ずいぶん長い時間想像を絶する状態が続きました。
やはりベテランの方は違います。
へたっている若い運送屋さんに気合を入れて、要領よく搬出していました。
そしてその後、引越しさきの部屋に搬入するときは、建物の通路に対してピアノのサイズが大きくどうしても曲がらず、クレーン車を使い、本当にヒヤヒヤしました。
すべてが終わったときは、自分がしているわけではないのに、ぐったりしてしまいました。
あまり経験のない運送屋さんですと、本当に見ていて怖いものです。
落下したというニュースはあまり聞いたことはないので、ほとんどが大丈夫なのだと思いますが、やはり精神衛生上よくありません。
それに懲りて、3年前、その大型のグランドピアノは中国に買い手がついたので売ってしまい、今は小型にしてしまいました。
余談ですが、中国は中古グランドピアノ(特に日本製)が人気で、予約待ちの状態だそうです。クラシック音楽教育に熱心のようですね。
ただし、そのピアノを搬出するときも、真夏にもかかわらず冷や汗をかきました。
細身の学生のような方二人がいらして、クレーン車にぶらさげて移動するときに太い布製ヒモ(トートバッグの肩ヒモみたいな感じ)を使って、方向を調整するのですが、重いのとプレッシャーで「足がガクガクふるえる」と言いながら、必死でやっています。
一生懸命やってくださっているのはありがたいのですが、今のピアノを搬入するときは、かなり運送屋さんを選びました。
以前、オルガンを搬入・搬出したこともあるのですが、これも大型で大変でした。
楽器をしていると、とにかく、おき場所の確保や、出し入れの大変さが常に付きまといます。一度置いてしまうと部屋の中で移動もできませんから、エアコンの位置なども考慮しなくてはなりません。
楽器をしている以上仕方のないことで、これは、一生つきあっていくものなのかもしれませんね。