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アメリカとイランの間にあった生死をかけたドッキリカメラ

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生死をかけた「ドッキリカメラ」。
歴史上そんな事実があったとは。
 
1979年イラン革命のとき、イスラム過激派グループがアメリカ大使館を占拠。52人のアメリカ人外交官が人質にとられました。6人のアメリカ人外交官だけは脱出し、カナダ大使館に匿われていたところ、CIA工作本部技術部メンデスにより「アルゴ」というSF映画製作スタッフとして偽装し、脱出させるという作戦に打って出ます。
 
その脱出大作戦サスペンス映画が「アルゴ」です。
 
この映画の内容は歴史上の事実であり、撮影方法もドキュメンタリー風の手法を用いリアリティを感じさせながらも、サスペンスとしての要素も十分であり、事前に無事脱出したということは分かっているのにもかかわらず、最後の空港シーンまでハラハラドキドキさせられる見事なエンターテイメントとなっています。
 
脱出が大成功したからよかったものの、アメリカもよくこのような荒唐無稽な作戦を許可したと思うほどです。
これが事実だとしたら、現実ほど創造的なフィクションはありません。
 
第85回アカデミー賞を受賞した、脚本も良いのですが、CIAのメンデス役で、監督もしているベン・アフレックの、冷静さの中にも情熱を秘めた演技が素晴らしいと思いました。 
6人に演技の練習までして、用意周到に準備していたのに、直前になって上司からの作戦中止の連絡があります。
しかし、今中止したら6人の命がさらに危なくなる。彼は悩んだ末、6人を見捨てることができずに、作戦を独自に強行するのです。
 
そんなことを6人の外交官は何も知らない決行当日の朝。
カナダ大使館のドアを開けたメンデスの視線は、リーダーとしての覚悟が感じられました。
そこから6人の外交官たちはすべてを察し、気持ちが一つにまとまるのです。
 
言葉はなくても視線一つで全てを語る。
そんなリーダーの姿を見ることができました。
 
 
映画では、複雑なイランとアメリカの関係が描かれていて、こんなことがあったのかと今更ながら思い知らされます。
 
今後、どこの国でもそうだと思いますが、一人の英雄やリーダーにだけ頼り、国全体が動くのではなく、一人一人がその国の未来を考え、良き世界のために行動していくことが必要になってくるのではないかと感じました。
 
「アルゴ」。
記憶に残る映画です。
素晴らしい映画を有り難うございました。

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