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ライフワークとしての学びを考えます。

菌の力で現代のストラディバリウスをつくる

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「ストラディバリウスって何億円ってするくらい高いんでしょう?」
「ストラディバリウスって本当に良い音するんですか?」
 
バイオリンのストラディバリウスについては、その楽器としては破格な値段、現存する台数の少なさ、作り手の神話、そして世界一流の演奏家が持つ、という魅力的な話題性のおかげでしょうか。よく質問を受けます。
 
確かに演奏を聴くと素晴らしい音色を持つ楽器だと思います。
そしてストラディバリウスは誰でも手にすることができるわけではなく、譲り受けるのは、選ばれたふさわしい演奏家のみなのです。
弾きこなすだけの力量がある演奏家あってこそ、ストラディバリウスは永遠の輝きを放つともいえます。
 
そのストラディバリウスなのですが、なぜ良い音がするのでしょうか?良い音には科学的な根拠があるのでしょうか?
 
「ナショナル ジオグラフィック」2013年4月号に「菌が生み出す名器の響き」と題された興味深い記事がありました。

     ・・・・・(以下引用)・・・・・
 
バイオリンは、弓で弦をこすると、その下にある駒から胴へと振動が伝わって共鳴する。ストラディバリウスは、この音の響き具合が格別なのだ。
樹病学者のフランシス・シュバルツェは、トンビマイタケ科とクロサイワイタケ科の二種の木材腐朽菌に着目。良質な音作りに役立つことを突き止めた。これらの菌を塗布して培養したヨウヒとカエデの木材でバイオリンを製作したところ。木の細胞壁が薄くなって音が響きやすくなったのだ。さらには木の振動を抑える機能が倍増して耳障りな高音が抑えられる効果も確認された。ギターなどのほかの弦楽器にも応用できると、シュバルツェは語る。
 
     ・・・・・(以上引用)・・・・・

菌の作用で細胞壁が薄くなると音が良く響くようになるというのは驚きました。
 
1998年の映画「レッド・バイオリン」では、伝説の名器・・・多分ストラディバリウスをイメージしているのだと思うのですが、バイオリンに塗るニスに人間の血を混ぜていたという話しがありました。
 
私の乏しい科学の知識でも、人間の血を混ぜて良いとは思えませんでしたが、それほど、名器の音というのは謎に満ちているのです。
 
しかし、菌とは。
 
また名器の音に一歩近づいたのではないかと期待しています。

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