ボイストレーニングは一部の特殊な人たちだけのものではない　より説得力を持って人生を生きるために

本当に素晴らしい人間力を持った人というのは、どんな声でしゃべっていたとしても、伝わります。
　
文化人や有名人、国際的な経営者でも、あまりしゃべりが得意でない人もいますが、偉大な人間力は声の良し悪しを超えてしまうものです。
だから、本当に人間力を極めた人というのは、どんな風にしゃべろうと、どんな発声をしようと良いのだと思います。
極端な話しですが、そういう人はただ立っているだけでも、その存在から周囲の人に力を与えるものなのです。
　
しかし、なぜビジネス･ボイストレーニングが必要か。
　
超人的な人間力とは、どんな人にも備わっているものではありません。
かくいう私も道半ばであり、その一人だと思います。
　
例えば、同じレベルで、同じことを言っているのに、当たり前のことを言っているのに、なぜか「深いことを言っているように聞こえる」「思わず耳を傾けてしまう」「プレゼンを飽きずに聞いてしまう」という人がいます。
　
これは、本人が意図している、していないに関わらず、とても得をしていることだと思います。
　
例えば、国の総理大臣が変わって、方針は前任者と同じことを言っているのに、なぜか説得力を持って持って聞こえてしまうという方がいます。
そういう方は、たいてい良い発声を行っていて、「強いメッセージや志がきちんと届く」のです。
　
アメリカ大統領は、J.F.ケネディの代から「プレジデントボイストレーニング」というボイストレーニングを行っています。だからオバマも、ブッシュも、みんな行っています。
あの声というのは、天性のものではありません。
ボイストレーニングは大統領レベルでも行っています。
　
実は、より説得力を持って、より力強いメッセージを伝える、というやり方があるのです。
　
私が入った企業研修で、社員さんたちに「ビジネスのときとプライベートの声を使い分けるといいですよ」とアドバイスさせていただいたことがありました。
そうすると、研修最終回で、ある女性社員さんから
　
「上司に企画書を提出しても、いつも『後で見ておくね』と言って見てくれなかったのが、良い声でお願いしたら、その場ですぐに見てくれたんです。こんなこと初めてです。」
　
と、嬉しそうにおっしゃっていただけました。
　
企画書が突然レベルアップしたわけではなく、声が変わっただけで伝わり方が違ったというのです。
　
だから、ボイストレーニングというものは、一部の特殊な人たちだけのものではありません。しゃべるのに自信がもてないので話したくない・・となってしまったらもったいないことです。だれにでも伝えたいことがあるはずだと私は信じています。
　
一度きりの人生。人生を切り開きたい。
　
そう願う方のお手伝いができたら、と思っています。