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ライフワークとしての学びを考えます。

厚着をしながら長年発声をやっている人ほど良い声になるには時間がかかる

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今日も近所にある幼稚園の横を歩いてきたのですが、本当に賑やかですね。
あの声は、どちらかというとうるさいとも言えますが、不愉快ではありません。聞いていてあの声すごいなと思い、なぜかふと微笑んでしまう。
大人はああいう声は出しません。
 
赤ちゃんは、生まれたばかりのとき一番最初に何をしますか?
オギャアと大きな声で泣きますね。全身を使い、真っ赤になって、体力をふりしぼって泣く。
本当はどんな人でも、この世に生まれ出たときは同じ声であったし、素晴らしい声を持っていたわけです。
私は、生まれたての赤ちゃんの声が一番良い声だと思います。
 
それが、人は生きていく上で、親や学校の先生などに、「こういう声は良くない」とか「こういう声を出してはいけない」とか言われながら、だんだんと声に服を着せていってしまうのですね。
年月がたてばたつほど、その服は厚着になっていく。
 
ボイストレーニングとは、その衣服を一枚一枚剥ぎ取っていく作業なのです。
 
そして、まずその厚着をとらないで発声や歌を長年やっている方ほど、ご自分の意識とは別に、「自分はこの声が良いのだ」と体が勝手に思い込んでいて、長年かけてついたクセをとることのほうに時間がかかります。

 
本当はどんな人でも、この世に出たときは同じように、素晴らしい声をいただいて生まれていたわけです。
 
そこを、もとの状態に戻してあげるのが一番大事なことです。
 
声帯の状態や、発声自体が素直に自然に戻る。
普通の方が、まずその状態にできるだけでも素晴らしいのですが、それからが、本当の勉強です。
 
その領域から先こそが面白い。
そう思います。

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