腹式呼吸ができても腹式呼吸で発声できている人は少ない 簡単に腹式呼吸で発声するトレーニング 「プレッシャーブレス・ボイストレーニング」
はく息に抵抗感がある状態の時は、自然と腹式呼吸を使うようになります。
それを利用したのが「プレッシャーブレス・トレーニング」。
昨日の記事では、自然に腹式呼吸になり、肺活量と腹圧を高め呼気を強くし、横隔膜のインナーンマッスルを鍛えるトレーニング、「プレッシャーブレス・トレーニング」をご紹介しました。
何の道具も必要なく、いつでも、どこでも、誰にも迷惑にならず行ことができる。しかも、ストレスも解消できるイチオシのトレーニングです。
ただ、せっかく「プレッシャーブレス・トレーニング」をしても、いざ「発声しましょう」となると元の声に戻ってしまう方が多くみられます。
なぜそうなるのか?
それは、水泳でいえば、泳ぐための筋肉や肺活量は増えたけど、実際プールに浮いていない状態だからということです。
「腹圧が高まって強い呼気が声帯を通るときの感覚をつかむ」ことが、発声に繋げるために必要です。
今日は、「プレッシャーブレス・トレーニング」から発展させ、腹圧を高め、呼気を強くしながら、発声につなげるトレーニングをご紹介いたします。
まずは、「プレッシャーブレス・トレーニング」の簡単な復習から・・・。
★★「プレッシャーブレス・トレーニング」★★
1、横隔膜のあたり(おへそと一番下のあばら骨の間)に手を当てる
2、顎を下げて口を開け、思い切り息を吸う
3、口を閉じ、唇に針一本通るくらいの隙間を開けて、呼気の空気で頬と鼻の下をパンパンにふくらませながら思い切り息をはき、さらにはき切る。ティッシューをかざすと簡単に吹き飛ぶくらいの呼気です。
4、息をはききったら、再び口を開けて1から繰り返す。
*詳細は「良い声が出ないのは肺活量が足りなくて腹式呼吸が上手くできないおかげです 息を強めるためのどこでもできる簡単なトレーニング『プレッシャーブレス・トレーニング』(プラスの効果も期待)」の記事をお読みください。
さて、「プレッシャーブレス・トレーニング」がなれてきたら、今度はいよいよ発声です。
★★「プレッシャーブレス・ボイストレーニング」★★
1、横隔膜のあたり(おへそと一番下のあばら骨の間)に手を当てる
2、顎を下げて口を開け、思い切り息を吸う
3、口を閉じ、唇に針一本通るくらいの隙間を開けて、呼気の空気で頬と鼻の下をパンパンにふくらませて、同時に思い切り息をはきながら「ふぅ~~~」と発声する。口を開けてはだめですよ。大きな声は必要ありません。軽い声で行います。唇の間で常に息が摩擦しながら流れているように。手の当たっている場所、横隔膜で支えている感覚を意識してください。
ポイント:声を出すときに呼気の量を加減する方がいますが、呼気の量は基本の「プレッシャープレス・トレーニング」と同じです。最初はぶ厚い呼気の中で声を出すのは違和感を感じると思います。しかし、この感覚を覚えていただくことに意味があります。小さな声でかまいませんので声帯を反応させてみてください。
4、息をはききったら再び口を開けて1から繰り返す。
腹圧が高まったときの声帯を息が通り抜ける感覚を感じていただけましたか?
「わざわざ大きな声を出さなくても」強い呼気と発声を鍛えることができる有効なトレーニングです。
これが出来るようになると、息が流れるようになり、実際に発声するとき声が変わりますよ。発声が大変楽になります。
ぜひやってみてください!
もちろん、発声に移行したからと言って、基本の「プレッシャー・ボイストレーニング」をやめてくださいというわけではありません。これは、より豊かな呼吸を得るために必要なトレーニングですから、ぜひどんなときでも続けてくださいね。
★下記の本は、今回のトレーニング方法を一緒にレッスンできるDVD付きです。ご参考にしてみてください。